愛される童謡は世代を超える「第39回三木露風賞」
「♪夕焼けこやけの 赤とんぼ」……この歌は、日本育ちなら誰もが聞いたことがあるでしょう。童謡「赤とんぼ」を生み出した三木露風(みきろふう)の生誕の地である兵庫県たつの市が、全国から新しい童謡創作詩を募集する。締め切りは7月1日(土)。最優秀賞は賞金50万円が贈られるほか、受賞作には曲がつけられます。
三木露風と「童謡の里」たつの市
詩人であり童謡作家である三木露風は、兵庫県たつの市(旧・揖西郡龍野町)に生まれて、幼少期をこの地で過ごしました。名曲「赤とんぼ」は幼年時代の思い出を、そんな故郷の情景に託して歌われています。
揖保川の清流と緑が茂る山々に囲まれ、今でも多くの自然が残るたつの市は、三木露風の生誕地であることから1984年(昭和59年)10月7日に「童謡の里宣言」。童謡を通じて子どもたちの健やかな成長と、豊かな情操・創造性のはぐぐみに努めています。
童謡の里事業の代表である「三木露風賞」は1985年(昭和60年)にスタートし、これまで累計100曲以上の童謡を生みだしています。毎年開催される童謡コンクールは珍しいので、童謡が好きな人、作詞にチャレンジしてみたい人におすすめです。
歌い継がれる童謡のポイントとは?
当コンクールでは「"時を超え 世代をつないで 歌い継がれる童謡"の創造」を目指しているそう。では、歌い継がれる童謡とはどのようなものでしょうか? 前回受賞作をご紹介しながら、ポイントを見ていきたいと思います!
第38回三木露風賞作品 「自由帳」
きのうまでのいやなこと
消しゴムつきの えんぴつで
ぜんぶ 消せたらいいのにな
ゴシゴシ くろい消しカスを
フーッと おそとにふきとばし
まっしろなページ もういちど
うれしいことだけのこすのよ
わたしのこころの自由帳
すきなうたや すきなゆめ
なないろにじのえんぴつで
ぜんぶ 絵にしておきたいな
キラキラ ひかるたからもの
ソーッと だれにもみせないで
まっしろなページ いくつでも
はみだすくらいに えがくのよ
わたしのこころの自由帳
この受賞作や、多くの人が親しんでいる童謡を参考に、歌い継がれる童謡のポイントをまとめました。
【共感できる】
「自由帳」の歌詞を読むと、大人の私でも「わかる!」と共感しました。子供なら誰でも「あったらいいな」と思うようなものを歌詞にしてみましょう。ポケットを叩くとビスケットが増える「ふしぎなポケット」なども代表例ですね。
【情景が目に浮かぶ】
三木露風の「赤とんぼ」をはじめ、「しゃぼん玉」や「紅葉」など、歌っているとその情景が目に浮かぶような歌も、多く歌い継がれています。懐かしいと思う光景や、子供のころに目にして印象的だったものを歌詞にしてみるのもよさそうです。
【子供にわかりやすい言葉を選ぶ】
童謡なので、子供が歌いやすくてわかりやすいというのは基本中の基本。未就学~小学校低学年くらいの子供が歌う様子をイメージして書くと、言葉選びをしやすくなるかもしれません。
【言葉の繰り返しを有効活用する】
いろいろな童謡を思い出してみると、同じ言葉や似た言葉の繰り返しがよく出てくることに気づきます。「自由帳」でも、ポイントとなる「わたしのこころの自由帳」や「まっしろなページ」という言葉が繰り返されていますね。ほかにも「ゴシゴシ」や「キラキラ」などの擬音語の繰り返しも、効果的に使われています。「おもちゃのチャチャチャ」や「きらきら星」など、音の表現に注目するのも良いでしょう。
前回の受賞者には6歳や80歳の人が!
受賞作には必ず曲が付けられる点も、当コンクールの魅力。市内外の童謡コンサートなどで歌われ、20周年や30周年を迎えた際には、記念CDも発売されました。
前回は6歳から80歳までと、幅広い世代が受賞しています。童謡好きなお子様にも、おすすめの賞です。もしかしたら、あなたやあなたの子供の作った童謡が、世代を超えて長く歌い継がれていくかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてください!
公募情報ライター。おいしいものとお酒が大好き。好きな日本酒は田酒と鍋島。子育てに追われて途絶えていた公募に復帰しようと、創作活動に奮闘中。
出典: https://www.orix.co.jp/grp/move_on/entry/orix-senryu/vol7
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