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第2のカフカを探せ。「フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト」

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プラハ生まれの作家、フランツ・カフカ。2023年から2024年にかけては、生誕から140年、没後100年という節目を迎えます。チェコ、ドイツ、オーストリア、ポーランドの在日文化機関は共同で、カフカやその作品から発想された6000字以下のショートストーリーを募集。カフカが40歳で亡くなったことにちなみ、応募は40歳以下を対象としています。締切は2023年8月31日。最優秀賞受賞者には、東京〜ヨーロッパ旅行往復一週間の旅が贈られます。

 

理解が難しい、難解、というイメージもあるカフカの作品ですが、その生涯はご存じですか? 本記事ではそうした背景も解説! カフカが大好きな人も、まだ手に取ったことのない人も、ぜひチェックしてくださいね。

不条理文学を代表する人

「人間を吟味せよ。疑う者には疑わせ、信じる者には信じさせよ」……この切れ味あふれる名言を残したフランツ・カフカは、ジェイムズ・ジョイスやマルセル・プルーストとともに20世紀を代表する作家です。

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ユダヤ人の家庭に生まれたカフカは、実は、専業作家ではありませんでした。10歳で国立のギムナジウム(大学進学を前提とした教育機関)に入学し、プラハ大学に進学。父親の強い意向に従い法律を学びました。その後、保険局に勤めながら作品を執筆。恋人との婚約を何度も解消するなど、一筋縄ではいかない人生を送り、結核で40歳の生涯を閉じました。その父子関係、恋人との関係が色濃く投影されているのが、カフカの代表作の一つ『審判』だと言われています。

 

 

この世を去るまで、カフカの作品はあまり注目されていませんでした。カフカの死後に荷物を整理した友人のマックス・ブロートが、その遺稿を世に発表したことで、死後に高く評価されたのです。

 

もっとも有名な作品は、なんといっても『変身』でしょう。「ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドのなかで自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた」から始まる小説です。さまざまな翻訳者が翻訳を手がけ、幾度も映画化されました。また、久米田康治 『さよなら絶望先生』や、松本直也 『怪獣8号』など、日本の漫画界にも『変身』はインスピレーションを与えています。

 

 

孤独や不条理、不安感とユーモアにあふれたカフカの作品は、世の中が大きく動いている今だから読みたい、今こそ読みたい一冊です。

最先端の「面白い作品」が集まりそう

カフカの生誕140年、没後100年を迎えるにあたり、チェコ、ドイツ、オーストリア、ポーランドの在日文化機関は「Kafka Projekt 23→24」というプロジェクトを始動しました。その第一弾として開催されるのが「フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト」です。

 

カフカ自身やその作品から発想した小説を募集するこの公募。感想文の募集ではありません。この機会にカフカの作品を初めて手に取ったり、読み返したりしつつ、自分自身の発想をふくらませて濃密なフィクションを書いてください。

 

審査にあたるのは、上田岳弘氏、小山田浩子氏、藤野可織氏という3人の芥川賞作家。これはもう、選ばれる作品は面白いに決まっています!

 

カフカの故郷を訪れるチャンス

応募は、Wordで保存した作品をWEBフォームから提出する形式です。作品の文字数は6000字以内です。一般的な文庫本が1ページ当たり600字なので、10〜11ページ程度の感覚で書きましょう。

 

最優秀賞1編に贈呈されるヨーロッパ1週間の旅では、カフカの故郷であるチェコを訪問することも可能です。

 

なお、「Kafka Projekt 23→24」では11月22日に早稲田大学小野記念講堂でシンポジウムを開催。また、2024年にはカフカに関する映画や舞台芸術、音楽などのフェスティバルを開催する予定です。こちらにもぜひ注目を。これから始まるカフカ・イヤーが、日本の文学界を「変身」させるかも!
 

 

ライター
芦田みどり

公募情報ライター。最近は各地を盛り上げるご当地公募から目が離せない。好物はネギトロ。公募ガイド公式Instagramでも執筆中。

出典: https://www.kafkaprojekt.com/

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