全選考委員が絶賛! 30歳の新鋭が放つ驚愕のデビュー作『光のそこで白くねむる』が文藝賞を受賞
静謐な戦慄が走る異才のデビュー作として、文学界に衝撃を与えた待川匙の『光のそこで白くねむる』が、第61回文藝賞を受賞。この度、河出書房新社より11月18日に刊行されることが決定した。
本作は、十年ぶりに故郷の田舎町を訪れた「わたし」を主人公に展開される物語である。墓地への道すがら、すでに他界しているはずの幼馴染「キイちゃん」の声が意識に入り込んでくるところから物語は始まる。行方知れずの母、神のような存在感を放つ父、そして罵詈雑言を吐く祖母といった登場人物たちを通じて、平凡な田舎町が異界として立ち上がっていく様を鮮やかに描き出している。
選考委員からは、新人とは思えない圧倒的な筆力と高度な文章技術が高く評価された。小川哲氏は「パラノイアックな人物の視点を描ききる勇気と高度な文章技術」を絶賛。角田光代氏は「誰が存在したかも、語り手の性別すらも明示されないあいまいさ」に着目し、その曖昧さこそが作品の強さだと評している。
1993年徳島県生まれ、滋賀県育ちの待川匙にとって、本作が小説家としてのデビュー作となる。11月14日には東京・蔵前の透明書店にて、同じく文藝賞を受賞した松田いりの氏、芥川賞作家の町屋良平氏を迎えた刊行記念トークイベントも開催される。
なお、本作は上製112頁で税込1,650円。電子書籍版も同日発売予定となっている。気鋭の新人作家による衝撃的なデビュー作を、ぜひ手に取って確かめてほしい。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000815.000012754.html