650年の時を超えて蘇る能の世界!作家いとうせいこう×翻訳家ジェイ・ルービンが贈る画期的な能楽解説本が登場
新潮社は、能楽の新しい解釈と鑑賞方法を提案する『能十番 新しい能の読み方』を12月16日に刊行する。本書は、作家のいとうせいこう氏による現代語訳と、村上春樹作品の翻訳で知られるジェイ・ルービン氏による英訳を併記し、古典芸能「能」を多角的に楽しむことができる画期的な一冊となっている。
本書では「高砂」「忠度」「経政」など、厳選された10作品の謡曲を取り上げ、原文の詞章に加え、現代語訳と英訳、さらに両氏による詳細な解説とあらすじを収録。また、翻訳家の柴田元幸氏を交えた鼎談「謡を英語にする醍醐味」や、ゴスペラーズの酒井雄二氏といとうせいこう氏による対談「世阿弥に学び、『芸人実感』で謡を考える」など、能楽をより深く理解するための興味深い対話も収められている。
装丁にも特別なこだわりが込められており、光悦謡本からの装画に箔押しを施した表紙、スリーブ函、和綴の謡本を模した全頁小口袋綴造本という伝統的な装幀技術を駆使した美装本となっている。
監修を務めるいとうせいこう氏は、11年にわたる能楽の実践経験を持ち、古典芸能への造詣が深い作家として知られる。一方、ジェイ・ルービン氏は、京都留学時代に日文研で能楽研究会を主宰するなど、日本の古典芸能に精通した研究者である。
定価3,685円(税込)のこの一冊は、能楽初心者から上級者まで、650年の時を経て受け継がれてきた古典の真髄を、新しい視点から味わうことができる意欲作となっている。