【木材活用の革新】野村不動産が挑む、都市と森の未来づくり ~ウッドデザイン賞2024で3プロジェクトが快挙~
野村不動産グループが「ウッドデザイン賞2024」において、革新的な3つのプロジェクトで受賞を果たした。今年で10周年を迎えるこの賞は、木材の価値を最大限に引き出すデザイン性の高い取り組みを表彰する権威ある制度である。全366件の応募の中から226件が選出される中、同社グループの受賞は木材活用における先進性を示す成果となった。
注目すべきは、東京都奥多摩町で展開する『「森を、つなぐ」東京プロジェクト』だ。約130ヘクタールに及ぶ「つなぐ森」を拠点に、地域の森林事業者や製材会社と連携し、木材の生産から加工、利用まで一貫したサプライチェーンを構築。都市部における木材の地産地消を実現している。
建築・空間分野/ライフスタイルデザイン部門では、世田谷区の健康増進型シニアレジデンス「オウカス 世田谷仙川」が、多摩産材を活用した木造フィットネス・カフェ棟で高い評価を得た。約9ヘクタールの緑地に囲まれた立地を活かし、東京都「木の街並み創出事業」の認定も受けている。
さらに、2023年10月に竣工した「野村不動産溜池山王ビル」は、木質サステナブルオフィスとして新たな可能性を提示。清水建設の「シミズ ハイウッドⓇ」技術を採用し、木質建築部材と鉄骨造を組み合わせることで、高い耐震性と快適な無柱空間を両立させた。外観の木質ファサードと、スギ材を用いたエントランスのルーバーが、都市景観に新しい価値を創出している。
これら3つのプロジェクトは、環境負荷の低減と人々の健康増進、都市の価値向上を同時に実現する先進的な取り組みとして、今後の不動産開発における新たな指標となりそうだ。