【直木賞作家・今村翔吾が仕掛ける革新的な文学賞とは?選考委員なしの新システムに業界注目】
エンターテインメント業界大手のアミューズクリエイティブスタジオが、直木賞作家の今村翔吾氏が立ち上げる新たな文学賞「日本ドラフト文学賞」にパートナーとして参加することが発表された。
この文学賞の最大の特徴は、従来の選考委員制度を廃止し、出版社を含む複数のパートナー企業によるドラフト制度を採用する点である。プロ野球のドラフト会議さながらに、最終選考に残った作家志望者を出版社の編集者が直接指名できる仕組みとなっている。
注目すべきは、他の文学賞で入賞を逃した作品の再応募や、デビュー後にヒット作に恵まれなかった作家の再チャレンジも認められていることだ。この革新的な選考システムにより、作家志望者と出版社のミスマッチを減らし、新たな才能の発掘を目指している。
今村翔吾氏は自身のデビューのきっかけとなった「九州さが大衆文学賞」の縁から、佐賀発の地方文学賞として本企画を再興。2022年に『塞王の楯』で直木賞を受賞した今村氏は、作家活動の傍ら、書店経営にも携わるなど、出版業界で幅広い活動を展開している。
アミューズクリエイティブスタジオは、豊富なIPの開発経験とグループのシナジーを活かし、新人作家の発掘やメディア化に向けたサポートを積極的に行っていく方針だ。従来の文学賞にありがちな「ブラックボックス」な選考過程を透明化し、作家を目指す人々により多くのチャンスを提供する新しい試みとして、業界からの期待が高まっている。