日本SF界の巨匠が放つ衝撃作!飛浩隆、8年ぶりの新作で描く"しお"の侵食と人類の未来
SF界の最高峰に君臨する作家・飛浩隆が、待望の最新作品集『鹽津城(しおつき)』を発表した。日本SF大賞を史上初めて2度受賞した実力者による8年ぶりの新刊となる本作は、全6編の短編を収録している。
注目の表題作「鹽津城」は、"しお"に襲われていく世界を舞台に、現代から近未来、そして男性妊娠が可能となった遠未来までを壮大なスケールで描く気候変動SF。作者自身が「過去最高にキモい」と評する本作は、これまでにない独創的な世界観で読者を魅了する。
収録作品には、第41回星雲賞日本短編部門受賞作「自生の夢」や第46回同賞同部門受賞作「海の指」の世界観を共有する物語も含まれている。ただし、各作品は完全に独立した短編として楽しむことができるため、飛浩隆作品が初めての読者でも安心して手に取ることができる。
収録作品は、言葉の力で世界を紡ぐ少年を描いた「ジュヴナイル」、贈り主の姿を模した不思議な花を咲かせる植物を描く「未(ひつじ)の木」、緋色の異世界へと迷い込む「緋愁(ひしゅう)」など、現実と幻想が交錯する魅力的な作品群となっている。四六判上製264ページの装丁で、価格は税込2,200円。電子書籍版は12月の発売を予定している。
現代日本SFの最前線を行く傑作群は、読者の想像力を刺激し、世界の新たな見方を提示してくれるだろう。