【待望の新作】「下妻物語」から20年！ 乙女のカリスマ・嶽本野ばらが描く、"可愛い"を追求する青春小説集『ピクニック部』
2024年、デビュー作「下妻物語」の20周年を華々しく祝った嶽本野ばら氏が、約5年ぶりとなる待望の新作小説集『ピクニック部』を12月18日に刊行する。本作では、義足の先輩を慕って入部した可愛いもの好きの男子が主人公を務める表題作「ピクニック部」をはじめ、全3編の青春小説を収録している。
表題作では、ワンダーフォーゲル部に所属する源治善悟郎が、可憐な義足の乃梨子先輩と、私服がロリータファッションという異色の番長・里美先輩と出会い、新たな部活「ピクニック部」を創設するまでの物語が展開される。礼節と可愛らしさを重んじる部活動の理念は、卒業後も色褪せることはないという。
収録作品には、フリマアプリを通じた交流を描いた「ブサとジェジェ」や、還暦を迎えてロリータファッションの魅力に目覚める「こんにちはアルルカン」も含まれており、『文学2024』（日本文藝家協会編）でも高い評価を受けている。
刊行を記念して、小学館文芸編集室のpodcast「本の窓」では、DIVAで作詞家のゆっきゅんとの特別対談も実施。それぞれの時代で独自の"可愛い"を追求してきた二人による対談は、12月19日と26日の2回に分けて配信される予定だ。
新作発表に先立つ2024年は、「下妻物語」20周年を記念したリバイバル上映や下妻ジャスコの限定復活、雑誌「ユリイカ」での特集、映画「ハピネス」の公開、エッセイ集『ロリータ・ファッション』の刊行など、嶽本氏の話題に事欠かない一年となった。あと4年で還暦を迎える"乙女のカリスマ"による新境地と、変わらぬ美学が詰まった渾身の一冊となっている。