富山県高岡市を舞台にした海ノ民話アニメーション「与茂九郎池」が完成し、地元で大きな反響を呼んでいる。このアニメは、一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として制作された。

2025年2月19日、アニメ監督が高岡市を訪問し、角田悠紀市長への表敬訪問と「海ノ民話のまち」認定式が行われた。角田市長は「水の循環や自然の力が私たちの生活に大きな影響を与えていることがアニメーションに表現されていて大変素晴らしかった」とコメントし、教育現場での活用に期待を寄せた。

同日、高岡市立太田小学校では全校生徒66名を対象に上映会が開催された。アニメは可愛らしいタッチで描かれ、子どもたちは熱心に見入っていた。特に竜の登場シーンでは、児童たちの目が釘付けになったという。

上映後は、太田雨晴観光協会によるクイズを交えた授業が行われ、与茂九郎池の広さや深さについて学んだ。参加した児童からは「水を求めに信州まで行くのは、当時、水がとても大切であることが分かった」「太田の伝説を広めるためにいろんな人に話したい」といった感想が聞かれた。

「与茂九郎池」の物語は、昔、干ばつに苦しんだ村人が信州の戸隠大明神から弁天様を譲り受け、龍が住みつくようになったという伝説を基にしている。このアニメを通じて、子どもたちは水の大切さや地域の歴史、自然環境について楽しみながら学ぶことができた。

「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本各地に残る海にまつわる民話を発掘し、アニメーション化することで、次世代を担う子どもたちに「海との関わり」と「地域の学び」を伝えることを目的としている。高岡市の取り組みは、このプロジェクトの意義を体現する素晴らしい例となった。

今回の上映会の成功を受け、今後は富山県内の他の海ノ民話アニメーションとの連携展開も検討されている。地域の歴史と自然を守りながら、未来を担う子どもたちの教育に活かす取り組みとして、「与茂九郎池」のアニメーションは大きな可能性を秘めている。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003287.000077920.html