江戸時代の着物が指先ひとつで！J.フロントリテイリング史料館の貴重コレクションがデジタルで閲覧可能に

2025/03/11

美術品のデジタル化が進む中、新たな取り組みが始まった。DNPアートコミュニケーションズが、J.フロントリテイリング史料館の所蔵作品をデジタルで閲覧できる「J.フロントリテイリング史料館イメージアーカイブ」サービスを開始したのだ。

このサービスでは、重要文化財5作品を含む約70点の能装束や小袖、振袖、帷子などの着物画像データを提供している。J.フロントリテイリング史料館は、松坂屋コレクションの保存・公開を目的に2011年に設立された施設で、江戸時代以前の貴重な染織工芸品を多数所蔵している。

DNPアートコミュニケーションズの「Image Archives」サイトを通じて、これらの画像データを簡単に検索・申込みすることができる。作品名や作者、年代、人物、季節などのキーワードで検索可能で、出版物やTV番組、Webコンテンツ、広告など、幅広い用途で利用できるのが特徴だ。

同社はすでに、ルーヴル美術館やオルセー美術館、大英博物館など、世界的に有名な美術館・博物館の作品画像データも取り扱っている。今回のJ.フロントリテイリング史料館との提携により、日本の伝統文化や歴史に関する貴重な資料へのアクセスがさらに容易になった。

DNPアートコミュニケーションズは今後も提携先を拡大し、美術と歴史の専門フォトライブラリーとしてコンテンツの充実を図る方針だ。また、美術作品に関わる権利処理やコンサルティング業務も拡充していく予定という。

デジタル技術の進歩により、かつては美術館に足を運ばなければ見ることのできなかった貴重な作品が、今や自宅にいながらにして閲覧可能になった。この取り組みは、日本の文化遺産の保存と活用、そして新たな創造活動の促進に大きく貢献することだろう。