愛知県常滑市のINAXライブミュージアムで、昭和モダンを彩ったモザイク作家・板谷梅樹の世界を堪能できる特別展が開催される。「昭和モダーン、モザイクのいろどり―板谷梅樹の世界―」と題された本展は、2025年4月17日から9月30日まで行われる。

板谷梅樹は、近代陶芸の巨匠・板谷波山の息子として生まれ、父の影響を受けながらも独自の芸術世界を築き上げた。特に、陶片を用いた独創的なモザイク技法で知られ、かつての日本劇場の壮大な壁画制作などで名を馳せた。

本展では、これまであまり公開されることのなかった梅樹の作品約80点が一堂に会する。鮮やかなモザイク画から日常を彩る工芸品まで、緻密な手作業によって生み出された作品の数々を目にすることができる。また、梅樹の創作の原点となった父・波山の陶片も展示され、その色彩豊かな表現の源流を探ることができる。

展示は3部構成となっており、第I章「モザイクの世界で」では、梅樹の代表的なモザイク作品を紹介。第II章「日常にいろどりを」では、ランプシェードや帯留、ペンダントなど、日常生活に彩りを添える作品群を展示。第III章「制作の原点」では、波山の陶片や梅樹の制作技法、使用した道具類を紹介し、その創作プロセスに迫る。

また、展覧会に合わせて、監修者である荒川正明氏による講演会「希代のカラリスト・板谷梅樹モザイク画の魅力」も7月19日に開催予定。梅樹作品の魅力や独自性について深く掘り下げる貴重な機会となりそうだ。

昭和モダンの華やかさと、日本の伝統工芸が融合した板谷梅樹の世界。その色彩豊かな作品群は、現代の私たちの目にも新鮮に映るはずだ。この機会に、忘れられつつある昭和の美意識を再発見してみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000729.000015099.html