ナン・ゴールディン、アルルの古代劇場で栄誉ある写真賞を受賞へ - 革新的な作品で社会に一石を投じる


米国の写真家ナン・ゴールディンが、2025年7月8日にフランス・アルルの古代劇場で「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを受賞することが決定した。ケリングとアルル国際写真フェスティバルが主催するこの賞は、写真界で活躍する女性アーティストに贈られる栄誉ある賞として知られている。
ゴールディンは1953年生まれの写真家で、その作品は社会の規範に挑戦し、ジェンダーの固定観念を覆すことで知られている。彼女の代表作「The Ballad of Sexual Dependency」は、1980年代に制作され、恋愛関係の複雑さや支配的な力学を鋭く描き出した。
今回の受賞に際し、ゴールディンの作品「Stendhal Syndrom」がアルルのサン・ブレーズ教会で展示される。この作品は、古典芸術の名作と彼女の友人や恋人のポートレートを組み合わせた斬新なスライドショーだ。オウィディウスの『変身物語』からインスピレーションを得たこの作品は、現代と古典の融合を通じて観る者を魅了する。
ゴールディンは受賞について「大変光栄です。私が敬愛し、尊敬する偉大な女性写真家たちと並び立つことができることを誇りに思います」とコメントしている。彼女にとってアルルは特別な場所であり、1980年代の駆け出し時代に大きな影響を受けた思い出の地でもある。
「ウーマン・イン・モーション」プログラムは、ケリングが2015年に立ち上げた取り組みで、芸術や文化の世界における男女間の不平等に焦点を当てている。このプログラムは、映画や写真など様々な分野で活躍する女性たちを支援し、その才能を称えている。
アルル国際写真フェスティバルは、1970年から毎年開催される世界的に有名な写真の祭典だ。2025年の第56回フェスティバルは7月7日から10月5日まで開催される予定で、ゴールディンの受賞式もこの期間中に行われる。
ナン・ゴールディンの受賞は、彼女の長年にわたる革新的な作品と社会への貢献が認められたものだ。彼女の作品は、見過ごされがちな社会の現実を浮き彫りにし、多くの人々に新たな視点を提供してきた。今回の受賞を機に、さらに多くの人々がゴールディンの作品に触れ、その深い洞察力と芸術性に魅了されることだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000055433.html