AIによる映像制作の世界に新たな風が吹き込んだ。中国発のAIツール「Kling AI」が、世界5大都市で同時に短編映像を上映するという前代未聞のプロジェクトを実施し、クリエイティブ業界に衝撃を与えている。

6月2日から8日にかけて、上海、香港、東京、パリ、トロントの象徴的な場所で一斉に放映されたのは、世界中のクリエイターがKling AIを使って制作した作品だ。渋谷スクランブル交差点や香港SOGOなど、各都市を代表する大型ビジョンに次々と映し出される斬新な映像に、行き交う人々は足を止めて見入っていたという。

このプロジェクトは、Kling AIが4月に立ち上げた「BRING YOUR VISION TO SCREEN」と題した公募企画から生まれた。60カ国以上から2,000本を超える応募があり、プロからアマチュアまで幅広い層が参加。教師、デザイナー、漫画家など、多彩なバックグラウンドを持つクリエイターたちの想像力が、世界の街角で花開いた瞬間だった。

Kling AIの急成長も注目に値する。サービス開始からわずか1年で、動画生成AI分野でRunwayやGoogleを抑え約30%のシェアを獲得。ユーザー数は2,200万人を突破し、生成された動画は1億6,800万本以上に達している。

さらに、Kling AIは映画界との連携も強化。中国の著名監督9名を招いた「AIGC Movie Co-Creation Project」を始動させ、AIクリエイターが映画制作に参画する道を開いた。また、「Kling AI NextGen Initiative」では数千万元規模の資金を投じ、AIクリエイターの活躍の場を広げる計画だ。

今回の世界同時上映は、単なるプロモーションを超えた文化交流の場にもなった。日本のアニメ調や東洋の禅の美意識を取り入れた作品など、多様な表現が一つのキャンバスに集約された。まさに「AIだからこそ、誰もが"良い物語"を描ける」というKling AIのビジョンが具現化された瞬間だったと言える。

Kling AIが切り開いた新時代は、「全民AI監督」と呼ばれる。専門知識や高額機材がなくても、スマートフォン一つで世界に通用する映像コンテンツを生み出せる時代が到来したのだ。クリエイティブの民主化が進み、才能とアイデアの開花がさらに加速することだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000164176.html