中村航選 プロットだけ大賞 第8回 大賞 転生は六畳一間で



-第8回-
結果発表

お題ログライン
知り合いではなかった男性3人がルームシェアをすることになり、3人での生活を送る中でそれぞれの生き方を見つける話。
大 賞

「転生は六畳一間で」
亜島しゅん(著)
5.0★★★★★
カテゴリ ファンタジー ヒューマンドラマ 小説
舞台・世界観
ここは死後の天界。天界は人間増加による業務短縮化を目指し、転生が決定した者を、一定期間共同生活をさせる試みを開始。互いの人生談を受け取り合い、次の生き方を己自身で決めるという手法を取り始めた。
登場人物 滝本邦義(享年25)
男性。郵便局員で結婚したばかりだった。

「仕事しようとしたら、届け先がまさか自分だなんて」
野畑新一(享年19)
男性。理系の大学生だった。好きなことにとことん追求する性格。

「仮説とは事実に基づく推測です。よって恋は対象外です」
稲葉育三郎(享年42)
男性。職業は技師で、一家の大黒柱だった。子どもが5人いる。

「そんなの一寸の狂いもないことだ。俺の作ったものみてぇに」
ストーリー
第1章
天界から転生の命が下った男三人。転生までの間過ごす場所と案内されたのは、六畳一間の日本式の部屋。共に生活する身として生前の自己紹介をすることに。しかしながら、なぜか全員死んだときの記憶が飛んでいた。
第2章
死因解明のため彼らは記憶を辿る。生前、死に目に遭った各々の話。もちろんそれは致命的なものでなく、三者三様の笑い話。しかしながら会話後、彼らがこぼすように放った言葉は「自分が死んだのは暑い夏の日」。
第3章
彼らはその言葉から遡る。一人ひとりの生前の経緯を。誰かが語れば、蘇っていく記憶。三人の軍服姿。熱帯夜の壕で話をした面影。重なり繋がりゆく景色。驚いたことに、彼らは戦火の中、同じ爆撃で死んでいたのだ。
第4章
沈黙。しかし三人の笑いが空気を崩す。あの時話足りなかった。だから死んでも集まったと。短い間の共生、彼らは語る。過去も未来も、全てにおいて。そして言わずとも決意する。平穏のある願いを含んだ転生の行方を。
中村先生からの一言コメント
※中村先生の大賞選評全文は
2025年夏号にて掲載中です
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お題のポイントは「知り合いではなかった男性三人がルームシェアをする」というところにある。何故? どうして? と、ここから〝面白さ〟を発想するなら、まずは「知り合いではなかったのにどうしてルームシェアをすることになったのか」ということから考えていくことになろう。
ここで出した答こそが、物語の〝発端〟になるわけだ……【つづきは本誌で!】