中村航選 プロットだけ大賞 第8回 入選 溜飲を下ぐ



-第8回-
結果発表

お題ログライン
知り合いではなかった男性3人がルームシェアをすることになり、3人での生活を送る中でそれぞれの生き方を見つける話。
入 選

「溜飲を下ぐ」
髙田米(著)
4.3★★★★★
カテゴリ ヒューマンドラマ 犯罪 小説
舞台・世界観
生まれた環境、そして一度選んだ道はそう簡単には変えられず、ほんの少しの諦念と生きていくしかない。自由を見つけるにはほんの少し難しい、現代社会の閉塞感に押し潰されそうな三人の運命が、その日偶然交差した。
登場人物 藤田 元(28)
男性。所謂「ブラック企業」に勤めている。ある日仕事に行けなくなる。

「僕は真面目だ。……真面目しか、取り柄がない」
タナカ タロウ(市原 すずね)(32)
男性。家無し。タナカは偽名。ヒモ生活が長いため家事スキルはある。

「お前らの人生なんだから、好きに生きりゃいーじゃん」
山城 悠人(26)
男性。恵まれた環境ゆえの淋しさを抱えている。とある裏切りで傷心している。

「どんな順風満帆に見えても、それでも孤独感が消えないんです」
ストーリー
第1章
出社拒否、家無し、婚約破棄。それぞれの理由で真っ昼間から店で酒を浴びるほど飲んでいた三人の男たちは、酒の勢いで意気投合する。驚いたことに、三人は泥酔状態で記憶のないままルームシェアに合意していた。
第2章
酔いが覚めた後、目下人生に不安を抱える藤田と山城は家無しのタナカに言いくるめられ、ルームシェアは現実となる。仕事に行けない藤田、淋しさと生きる山城、無職のタナカ。驚いたことに、案外歯車は噛み合った。
第3章
破天荒だが底無しに明るく、そして世話焼きなタナカのおかげで、藤田と山城は少しずつ立ち直りはじめていた。しかしながら、ある日のニュース速報でとある罪人の死刑執行を知ってからタナカの様子がおかしくなる。
第4章
死刑執行された罪人がタナカの実父だったことを知る藤田と山城。姿を消そうとするタナカに、二人はかつてタナカがそうしてくれたように、道を示し過去から解放する。三人はこの世界で少しだけ息をしやすくなった。
中村先生からの一言コメント

「溜飲を下ぐ」はもしかしたら起こるかもしれないな、という話で、このお題からすれば王道のプロットだった。人間ドラマとして感動的に描けるのではないか、と思う。
※中村先生の大賞選評は
2025年夏号にて掲載中です
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