スタジオジブリ責任編集による『宮﨑駿イメージボード全集』シリーズの最新刊『4 ナウシカ前史』が、2025年7月8日に岩波書店から発売されることが発表された。本書には、宮﨑駿監督が『風の谷のナウシカ』誕生以前に描いた幻の作品のイメージボード全188点が収録され、そのうち58点が初公開となる。

『ナウシカ前史』には、宮﨑監督が1979年の「ルパン三世 カリオストロの城」以降、様々な企画を模索していた時期に描かれたイメージボードが収められている。「ロルフ」「グールの王女ナウシカ」「土竜とクシャナ」「戦国魔城」「風使いの娘ヤラ」といった、アニメ化されることのなかった習作の絵が網羅されている。

これらの絵には、後の『風の谷のナウシカ』や他の作品につながるキャラクター、メカ、風景などの萌芽が見られ、宮﨑監督の創作の原点を垣間見ることができる。スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫氏は、本書について「ナウシカに至る前の構想の資料をこれまでで一番詳しく見せるものになる」と語っている。

『宮﨑駿イメージボード全集』シリーズは、宮﨑監督自身が描いたイメージボードやストーリーボードを可能な限り集めた画集である。高精度スキャナーで原画を読み込み、原寸大あるいはそれに近いサイズで掲載することで、宮﨑監督の手描きの魅力を余すところなく伝えている。

本シリーズは既に『1 風の谷のナウシカ』『2 天空の城ラピュタ』『3 となりのトトロ』が刊行されており、今回の『4 ナウシカ前史』に続いて、『5 紅の豚』が2025年12月に、『6 耳をすませば On Your Mark』が2026年初夏に発売予定となっている。

宮﨑駿監督の創作過程を知る貴重な資料として、アニメーションファンや研究者から注目を集めそうだ。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000053841.html