中村航選 プロットだけ大賞 第8回 入選 ぼくたちが冬から春を過ごした部屋



-第8回-
結果発表

お題ログライン
知り合いではなかった男性3人がルームシェアをすることになり、3人での生活を送る中でそれぞれの生き方を見つける話。
入 選

「ぼくたちが冬から
春を過ごした部屋」
栗太郎(著)
4.3★★★★★
カテゴリ ヒューマンドラマ 犯罪 小説
舞台・世界観
現代の東京。連続殺人犯Kに判決が下されようとしている。
登場人物 福井行則(82)
男性。Kに娘を殺害された。妻はショックで認知症になり施設にいる。地域での人望も厚く、心身ともに頑強。

「なんと言いわけしようと、私らがやろうとしているのは殺人だ。若い者に背負わせるわけにはいかない」
宮尾直孝(54)
男性。Kに妻を殺害された。子どもはなく天涯孤独。気弱で無気力。職場でも窓際族。

「私にはもう、生き続ける理由がないのです。判決の日に私は死にました。せめて最後に役目をください」
木下春樹(17)
男性。姉が犠牲となった。Kを強く憎むが同時に彼に惹かれている。進学校に通う優等生。

「ぼくは姉を愛していた。姉の恋人だったあいつのことも」
ストーリー
第1章
傍聴席では3人の男たちが判決を待っていた。連続殺人犯Kに家族を殺された者たちだ。他人同士だが同じ思いで判決を待つ。極刑しかないと思われた。しかしながら、Kには心身衰弱を理由に無罪判決が言い渡される。
第2章
3人はKに復讐を誓い、彼の父親が所有するマンションでルームシェアを始める。3人は祖父、父親、息子の疑似家族を装い、K殺害計画を進める。驚いたことにリーダーシップを取るのは高校生の春樹だった。
第3章
実行の時が迫る。誰が手を下すか? 3人はそれぞれの理由で志願する。誰もが自分の未来を諦めている。春樹が他の2人を出し抜きKに迫る。春樹はKと共に死のうとする。しかしながら、直前で福井と宮尾に止められる。
第4章
共同生活の中で、誰もが他の2人に手を汚させたくないと思うようになっていた。生きることにあがき始めた3人は、自分たちの未来と引き換えになる復讐を断念する。3人は再会を約束し共に過ごした部屋を後にする。
中村先生からの一言コメント

「ぼくたちが冬から春を過ごした部屋」はルームシェアの動機が「復讐」である、迫真のプロット。そこからのサスペンスが面白くなりそうだ。
※中村先生の大賞選評は
2025年夏号にて掲載中です
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