歴史小説界で急速に注目を集める新鋭作家・高瀬乃一氏の最新作『天馬の子』が、2025年9月2日にKADOKAWAから発売される予定である。本作は、青森県を舞台に、10歳の少女リュウと一匹の仔馬の成長を描いた感動の長編小説だ。

物語は、南部藩の小さな農村で馬と心を通わせる少女リュウを中心に展開する。最愛の兄を失った彼女は、周囲の厳しい環境の中で、「育たない」と見捨てられた仔馬を育て始める。リュウと仔馬の運命は、謎めいた片腕のない馬喰・与一との出会いを機に大きく動き出す。

著者の高瀬氏は、2023年のデビュー作『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。その後も『梅の実るまで―茅野淳之介幕末日乗―』で複数の文学賞候補に選ばれるなど、着実に実力を認められてきた。本作では、厳しい自然と向き合いながら生きる人々の姿を、繊細かつ力強い筆致で描き出している。

『天馬の子』の魅力は、リアルな青森の風土描写と、主人公リュウの成長過程にある。村を襲う獣や飢饉、仲間や馬たちとの別れなど、様々な試練を乗り越えていく少女の姿に、読者は勇気づけられるだろう。また、「生まれや見た目がすべてなのか」という問いかけは、現代社会にも通じるテーマとなっている。

本作の評価は既に高く、書評家の吉田伸子氏は「良い物語を読んだという喜びに、しばし身を委ねたい」と絶賛。書店員からも「春風のような爽やかさが残る」との感想が寄せられている。

興味を持った読者は、KADOKAWAの文芸WEBマガジン「カドブン」で第1章「柳の穴」を無料で読むことができる。凍てつく冬の大地を駆ける少女と仔馬の物語が、どのように展開していくのか。注目の一冊として、多くの読者の心を掴むことは間違いないだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000017573.000007006.html