国立国際美術館で「プラカードのために」展開催!7人の作家が社会に問いを投げかける
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国立国際美術館は、2025年11月1日から2026年2月15日まで、特別展「プラカードのために」を開催する。本展は、美術家・田部光子の言葉と作品を出発点に、社会や歴史に鋭い眼差しを向ける7名の作家の作品で構成される。
展覧会のタイトルは、田部が1961年に記した「プラカードの為に」という文章に由来する。田部は「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語った。この思想は、同年に発表された作品《プラカード》に結実している。
本展では、田部光子の作品26点に加え、牛島智子、志賀理江子、金川晋吾、谷澤紗和子、飯山由貴、笹岡由梨子という6名の現代作家の作品が展示される。彼らは、映像、インスタレーション、写真、絵画、立体など多様な手法を用いて、社会の中で覆い隠されてきた経験や心情に光を当て、既存の制度や構造に問いを投げかける。
注目の作品には、牛島智子の新作インスタレーション《ひとりデモタイ―箒*筆*ろうそく》、志賀理江子の映像作品《風の吹くとき》、金川晋吾の写真シリーズ「祈り/長崎」「明るくていい部屋」などがある。また、谷澤紗和子の陶紙で作られた小さな「プラカード」作品「ちいさいこえ」や、飯山由貴の映像作品《海の観音さまに会いにいく》、笹岡由梨子の国内初公開となるインスタレーション《Working Animals》も見逃せない。
これらの作品は、生きづらさを生む社会とその歴史へのまなざし、制度や権力による選別や排除に対する抵抗、周縁に置かれた存在の尊厳についての考察を背景に持つ。展示空間では、7名の作品が交錯し、ときに干渉し、響き合う。重なりあい、ぶつかりあうイメージや声のなかから、観覧者は新たな抵抗の方法を見出すことができるだろう。
会期中には、アーティスト・トークやレクチャー、ワークショップなどの関連イベントも予定されている。現代社会に鋭く切り込む7人の作家たちの表現を通じて、私たちを取り巻く社会やその歴史を見つめ直す貴重な機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001039.000047048.html