三国を愛したジャンクアートの巨匠、小野忠弘氏の111点が福井県坂井市に寄贈
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現代美術界で国際的に高い評価を得た故・小野忠弘氏の作品111点が、福井県坂井市に寄贈された。小野氏は「ジャンクアート」と呼ばれる独特の作風で知られ、1959年には米国の雑誌「LIFE」が選ぶ「ジャンクアートの世界の7人」の一人に選出された。
今回寄贈された作品群は、小野氏の晩年である1969年以降の作品が中心である。貝殻や蛇腹ホース、段ボールなどを組み合わせた造形に、ドリッピング技法を用いるなど、絵画と造形、立体の垣根を超えた挑戦的な作品が多く含まれている。特に注目すべきは、当時のアート界で高い評価を得ていた「タダの人」シリーズや「テラテラの曠野」シリーズなどの80年代の作品である。
寄贈式には小野氏の孫である小野真人さんが出席し、「大勢の子どもたちに見てほしい。小野作品はやや分かりづらいこともあるが、作品の目の前に立って感じてもらえたら」と語った。また、小野氏の教え子でアートディレクターの戸田正寿氏も「小野先生は、常にライバルは子どもたちだと言っていた。子どもたちの無垢な感性からこそ、優れた作品が生まれる」と、作品を通じた子どもたちとの交流の重要性を強調した。
坂井市の池田禎孝市長は「小野さんの多数の寄贈は市民にとって喜び。現代美術は見るというより感じる感覚だが、市としてもさまざまな形で活用させていただく」と述べ、作品の活用に意欲を示した。
寄贈された作品は、坂井市三国町緑ケ丘3丁目のONOメモリアルで順次入れ替えながら常設展示される予定である。現代美術に触れる貴重な機会として、多くの市民、特に子どもたちの来場が期待される。アートを通じて感性を磨き、創造力を育む場として、ONOメモリアルが果たす役割は大きいだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000081038.html