公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

消えゆく文字の物語:『絶滅しそうな世界の文字』が語る83の文化遺産

タグ
報道発表
プレスリリースより

世界中の文字体系の多くが消滅の危機に瀕しているという衝撃的な事実をご存知だろうか。河出書房新社から2025年10月28日に発売予定の『絶滅しそうな世界の文字』は、この危機に警鐘を鳴らす貴重な一冊だ。

著者のティム・ブルックスは、消滅の危機に直面する83種類の文字体系を取り上げ、それぞれが持つ独自の物語、歴史、そして現在の状況を詳細に解説している。本書は単なる文字学の教科書ではない。それは人類の文化的多様性を守るための切実な訴えでもある。

本書で紹介される文字体系は実に多様だ。夢で啓示を受けた文字、奴隷貿易の暗号だった文字、民族独立の象徴としてつくられた文字など、それぞれの文字には驚くべきストーリーが隠されている。例えば、コプト文字はかつてエジプトの公用語だったが、現在では世界中でわずか300人程度しか母語として使用していないという。

また、日本の真言宗や天台宗で今でも使用されている悉曇文字や、19世紀初頭にチェロキー族のシクウォイアが開発したチェロキー文字など、読者を魅了する興味深い事例が満載だ。

本書の魅力は、単に文字の形や歴史を紹介するだけでなく、その文字を生み出し、守り続けてきた人々の思いや文化を深く掘り下げている点にある。著者は「文字がひとつなくなれば、何百年も書き継がれてきた、聖典、文学、手紙、法律文書、知恵、アイデンティティー、そして、共に生きた記憶──そのすべてが失われる」と警告する。

『絶滅しそうな世界の文字』は、文字マニアはもちろん、文化人類学や言語学に興味がある人、そして世界の多様性に関心を持つすべての人にとって、まさに必読の書と言えるだろう。美しいビジュアルと共に、消えゆく文字たちの物語を追体験できる本書は、私たちに文化の重要性を再認識させてくれる。

2025年10月の発売を前に、すでに多くの読者の期待を集めているこの一冊。絶滅の危機に瀕する文字たちの魅力的な世界へ、あなたも旅立ってみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001060.000012754.html