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近松門左衛門の生涯を描いた感動作!松井今朝子『一場の夢と消え』が第38回柴田錬三郎賞を受賞

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報道発表
                 (プレスリリースより)

文学界に新たな話題が飛び込んできた。株式会社文藝春秋が2024年8月に刊行した松井今朝子さんの長編小説『一場(いちじょう)の夢と消え』が、第38回柴田錬三郎賞を受賞したのだ。本作は、日本文学史上に燦然と輝く劇作家・近松門左衛門の波乱に満ちた生涯を描いた渾身の一作である。

『一場の夢と消え』は、『曽根崎心中』『国性爺合戦』など数々の名作を世に送り出した近松門左衛門の人生を鮮やかに描き出している。芸道に生きる者たちの苦悩と喜び、そして至高の境地までを克明に綴った本作は、近松小説の決定版であり、芸道小説の最高峰と称されるにふさわしい作品だ。

著者の松井今朝子さんは、受賞に際して感慨深げにコメントを寄せている。40年ほど前、30代だった頃に四世坂田藤十郎主宰の「近松座」で上演台本を手がけた経験を持つ松井さん。当時、一介の座付き作者だった近松の心境に思いを巡らせていたという。その経験が、今回の作品に深く反映されているようだ。

本作の主人公・杉森信盛(後の近松門左衛門)は、越前の武家に生まれ、浪人となって京に上る。そこで魅力的な役者や女性たちと出会い、芸の道へと足を踏み入れていく。竹本義太夫や坂田藤十郎との出会いを経て、浄瑠璃・歌舞伎の世界で頭角を現していく過程が、生き生きと描かれている。

柴田錬三郎賞は、『眠狂四郎無頼控』で知られる作家・柴田錬三郎氏の業績を称えて設立された賞だ。現代小説、時代小説を問わず、幅広い読者を魅了する作品を顕彰している。今回の受賞は、松井さんの筆力と『一場の夢と消え』の魅力が、選考委員たちの心を掴んだ証といえるだろう。

『一場の夢と消え』は、2024年8月26日に発売。定価2,420円(税込)。日本文学史に残る大作家の人生を描いた本作は、文学ファンはもちろん、歴史や芸能に興味がある読者にもおすすめの一冊だ。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000786.000043732.html