公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

【國華賞】奈良・平安彫刻研究に新機軸!井上一稔氏の著作が受賞

タグ
報道発表
井上一稔氏「奈良・平安彫刻の文化史的研究」(法蔵館)(プレスリリースより)

日本美術界の権威ある賞「國華賞」の受賞者が発表された。第37回を迎える今回、最高賞である國華賞に輝いたのは同志社大学教授の井上一稔氏。その著書「奈良・平安彫刻の文化史的研究」が高く評価された。

井上氏の研究は、単なる形態分析にとどまらず、仏像に込められた思想を社会・文化的背景から多角的に考察。この新しいアプローチが日本彫刻史研究に革新をもたらしたと高い評価を受けている。

國華奨励賞には永田智世氏が選ばれた。江戸後期の蒔絵表現を薬学史や文化史の観点から分析し、当時の博物学の隆盛や藩主間の交流という文脈に位置づけた点が注目を集めた。また、國華展覧会図録賞は中山創太氏の「蒐集家・池長孟の南蛮美術」展図録が受賞。昭和初期の収集家のコレクションを、彼自身の言葉とともに展示する斬新な試みが評価された。

國華賞は、世界最古の美術研究誌「國華」の創刊100周年を記念して1989年に設立された。日本・東洋美術研究の発展に寄与する優れた業績を表彰することを目的としている。選考は、上智大学名誉教授の小林宏光氏を委員長とする12名の専門家によって厳正に行われた。

贈呈式は10月23日、東京・築地の朝日新聞東京本社新館で執り行われる予定だ。受賞者には賞状と副賞、記念品が贈られる。

「國華」は1889年に岡倉天心らによって創刊された月刊誌で、現在も刊行が続けられている。朝日新聞社が発行を支援し、朝日新聞出版が販売を担当している。日本美術研究の最前線を伝え続ける同誌の存在は、日本文化の深い理解と国際的な評価の向上に大きく貢献している。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001987.000009214.html