解体予定ビルが芸術の聖地に!「アートゴールデン街」がグッドデザイン賞受賞
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渋谷・恵比寿・代官山の中間に位置する老朽化したビルが、解体前の最後の輝きを放った。NOXGALLERYと東京建物が共催した没入型アートイベント「アートゴールデン街」が、2025年度グッドデザイン賞を受賞したのだ。
このプロジェクトは、解体予定の10階建てマンション「セゾン代官山」を舞台に、2025年1月に20日間にわたって開催された。国内外約70組のアーティストが集結し、建物内の全50室と共用部を独創的なアート空間に変貌させた。
イベント名の由来となった新宿ゴールデン街のように、各部屋がユニークな表現の場となり、多様なサブカルチャーやアートが共存する空間が生まれた。壁面への大胆なペイントや部屋全体を使ったインスタレーションなど、通常のギャラリーでは実現困難な実験的な試みが可能となった。
グッドデザイン賞の審査員からは、「高度成長期ストックの更新期の解体案件が増加する中、空洞化や治安不安などの地域課題に対する魅力的な取り組み」と高く評価された。解体待ちの"期間の空白"を地域に還元し、大きなスケールとインパクトをもって価値化した点が注目を集めた。
会期中には約7,000人もの来場者が訪れ、一般客だけでなく国内外のアート関係者やWeb3関係者、メディアからも大きな注目を集めた。デジタルアートや映像、音楽、インスタレーション、ペインティングなど、多彩な表現形態の作品が一堂に会し、各フロアが「サイバーパンク」「ジャパニーズヴィレッジ」「デコトラ」といった異なるコンセプトで彩られた。
このプロジェクトは、建物の「終活」として最後の期間を有意義に活用する取り組みであり、地域活性化の新たなモデルケースとしても注目されている。今後、同様の取り組みが他の解体予定建築物にも広がることが期待される。
「アートゴールデン街」の成功は、都市の遊休資産を創造的に活用する可能性を示すとともに、アートの力で地域に新たな価値をもたらす革新的なアプローチとして、今後のまちづくりに大きな示唆を与えるものとなった。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000100330.html