「創ることは生きること」中辻悦子が語る、Tokyo Gendai初代アワード受賞の軌跡


株式会社The Chain Museumが運営するArtStickerは、2025年9月に開催された国際アートフェア「Tokyo Gendai」のOfficial Supporting Partnerとして、アーティスト育成を目的とする「Hana Artist Award」のスポンサーに参加した。同アワードの初代受賞者には、作家・中辻悦子(Yoshiaki Inoue Gallery)が選出され、賞金約150万円が授与された。
選考は国際的な現代美術専門誌ArtReview編集長のMark Rappolt氏、Dib Bangkokディレクターの手塚美和子氏、滋賀県立美術館ディレクターの保坂健二朗氏によって行われた。選考委員は「素材やその扱いに対する洗練さ、そして自信の強さが感じられた」と評価し、コンテンポラリーアートが必ずしも新しさだけを追うわけではないことを顕示していると述べている。
ArtStickerによる特別インタビューでは、中辻氏の創作の原点が明かされた。タブロー制作を中断していた時期に、ベッドカバーの残り布で細長い形を縫い、綿を詰めて作ったオブジェが転機となった。黒い木綿糸で目をつけ、赤い毛糸を頭につけると「ひとのかたち」のようなものが生まれ、「POCO PIN(ポコピン)」と名付けられた。
生まれて間もない長男のベビーベッドの上から吊るすと、ゆらゆらと動くオブジェに子どもが喜んだことから、次々と身のまわりにあるものを使ってオブジェを創作するようになった。中辻氏は後に、これらのオブジェが抑圧されていた自分を投影したものだったと気付き、「ひとのかたち」を通してものを考えるようになったという。
1937年大阪生まれの中辻氏は、広告デザイナーを経て1963年に東京画廊で初個展を開催。「ひとのかたち」をモチーフに絵画、彫刻、版画など多彩な分野で60年以上活動を続けている。1998年には現代版画コンクール展大賞、1999年にはブラティスラヴァ世界絵本原画展グランプリを受賞するなど、国際的な評価も得ている。
Tokyo Gendaiは2023年に初開催された国際的な現代アートフェアで、第4回となる「Tokyo Gendai 2026」は2026年9月11日から13日にパシフィコ横浜で開催される予定だ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000309.000038948.html