建築祭が全国で活況、建築を「体験する対象」へ


建築文化の祭典がクラウドファンディング開始
株式会社MotionGalleryは、建築を「鑑賞する対象」から「体験する対象」へと転換させる建築文化の祭典のためのクラウドファンディングを実施している。4月11日(土)、12日(日)に富山県滑川市で開催予定の「なめりかわ建物フェス2026」、5月16日(土)から24日(日)まで東京の主要エリアを横断して開催予定の「東京建築祭2026」の運営費を募集中である。また、2月下旬には、5月8日(金)~10日(日)に兵庫県神戸市で開催予定の「神戸建築祭2026」も実施予定である。
誰もが楽しみ始めた建築、その背景とは
インターネットおよびスマートフォンの普及に伴い、まちや建築の楽しみ方はリアルな空間にとどまらず、デジタル領域へと大きく広がっている。特にSNSの浸透により、Instagramでは「インスタ映え」する建築写真が数多く投稿・拡散され、これまで建築に関心のなかった層にもその魅力が広く認知されるようになった。また、Twitterでは、専門的かつ多様な視点による考察がリアルタイムで共有・議論されており、建築鑑賞はより開かれた双方向型の体験へと変化している。こうしたデジタル上での疑似体験は、実際に現地を訪れるきっかけを創出し、全国的な建築への関心の高まりを後押ししている。
さらに2024年には、山本理顕氏が建築界で最も権威あるプリツカー賞を受賞し、日本人として9人目の受賞者となった。これにより、日本は同賞の受賞者数が世界最多の国となり、日本建築に対する国際的な注目が一層高まるとともに、国内における関心の拡大にもつながっている。
東京建築祭2026の概要と特徴
2024年にスタートした東京建築祭は、通常、非公開の建築の特別公開・特別展示をはじめ、ガイドツアーやトークプログラムなど多彩な企画を通じて、これまで知られることのなかった建築の背景や物語に触れ、建築とまちの魅力を体感できる祭典である。2025年は9日間にわたり開催され、特別公開・特別展示は43件、ガイドツアーは91企画・計220回実施された。参加建築数は合計128件、ブックフェアは9店舗が参加し、来場者数は延べ約11万人を記録した。
3回目の開催となる2026年は、建築の専門家から初心者まで、より多くの方にご参加いただけるよう、特別公開・特別展示を引き続き無料で実施するとともに、開催エリアを東京・渋谷まで拡大し、東京の主要エリアを横断する建築祭として準備を進めている。各国大使館の参加を予定しているほか、未来の都市を担う子どもたちに向けたラーニングプログラムの充実を図り、次世代の感性を育む機会を創出する。
プログラム数の拡充に伴い、来場者数は約13万人への増加を見込んでいる。来場者の利便性向上と円滑な運営を目的に、デジタル順番待ち(整理券)システムの導入や運営体制の強化を行うほか、地図および音声ガイド機能付きアプリの提供、事前学習が可能な動画講義の配信、特別公開会場への建築ナビゲーターの配置など、見学体験をより深める各種サポート施策を展開する。
なめりかわ建物フェス2026の発足背景
滑川市(富山県)には、昭和初期に建てられた近代建築や独自の意匠を持つ建物、さらには国登録有形文化財をはじめとする、歴史的価値の高い建築が数多く現存している。一方で、これらの建築の多くは日常の風景の中に溶け込み、その価値が地域住民に十分に認識されていないという課題があった。
本プロジェクトの発端は、東京で建築愛好家から「滑川には貴重な建築文化財が数多く残されている」という話を聞いたことにある。この言葉をきっかけに、地域に眠る建築資源の価値を見つめ直す必要性を強く認識し、建築の魅力発信に取り組む「わくわく建築」のメンバーとの出会いを通じて、「滑川は建築文化遺産のまちである」という確信へと変わった。2025年3月に第1回「なめりかわ建物フェス」を開催し、地域に残る建築の価値を広く発信する機会を創出した。本取組みは単発イベントにとどまらず、年に一度、建築と人とが新たに出会い直す「文化の装置」として継続的に開催し、地域の建築文化の継承と魅力発信を推進していくことを目指している。
神戸建築祭2026で街をミュージアムに
神戸建築祭は、2023年にスタートした建物公開イベントである。戦災や震災を乗り越え、現代まで受け継がれてきた貴重な建物を神戸の街の財産として広く公開し、その価値を共有することで、建物の有効活用や次世代への継承を目指している。建築を通じて神戸の街の歴史・文化・記憶を結ぶことをテーマに開催している。2026年5月に開催される「神戸建築祭2026」では、建築の魅力をこれまで以上に「広く」「深く」発信することを目的に、エリアとプログラムを拡充し、スケールアップして実施する。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000030743.html