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せきしろの自由律俳句 第108回「立つ」結果発表 (2/3)

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結果発表

 

結果発表

第 108回 課題: 立つ

 

 

佳作

入道雲あの子の屋根の上に立つ
 (岡山県 悟老 16歳)

月へ背伸びする鉄塔
 (東京都 みずら 17歳)

吊革に手首を入れて寝る男
 (愛知県 推薦とれず 18歳)

夕暮れを使い切るまで立ち話
 (千葉県 菖蒲あや 18歳)

立ってていい場面かいつ座るのか
 (山形県 そらいち 20歳)

文鳥が立つ手の白さ
 (埼玉県 東沖和季 22歳)

いつの間にか霜柱踏み潰さなくなって
 (神奈川県 Andrewski 24歳)

内輪差を考慮したであろう位置で止まる
 (東京都 みる 24歳)

立ち上がったが七分遅延らしい
 (福島県 きりんのき 24歳)

跡地を前に立ち尽くす忘れん坊な祖父の横顔
 (富山県 呆れて口がアグリッパ 25歳)

ペン立てに埋もれた消しゴム救い出す
 (神奈川県 ななつの 25歳)

記憶の中の祖父は立っている
 (東京都 結城熊雄 29歳)

夜窓流れるドアに秘密抱えた私をあずける
 (大阪府 石川聡 44歳)

見上げたら老女
 (東京都 デモグラティック平岡 55歳)

バスで席を譲るどこでもない場所を見る
 (長崎県 毎日ハッピー 45歳)

農道に佇む石仏の微笑みはトラクターを見送る
 (神奈川県 廣瀬順子 82歳)

 

今月の総評

入道雲あの子の屋根の上に立つ
入道雲はどでかいのに、あの子の家しか見ていないところが良い。

月へ背伸びする鉄塔
夜の鉄塔は昼間とはまた違うと思っていたが、そうか背伸びをしていたのか。

吊革に手首を入れて寝る男
何度か見たことがある光景。ある種のライフハックのようでもあるし、偶然のようでもある。

夕暮れを使い切るまで立ち話
暗くなって終わる。

立ってていい場面かいつ座るのか
ライブではこういった迷いが生じるものだ。年と共にずっと座っていたくもなる。

文鳥が立つ手の白さ
文鳥の色が手のひらに広がる。私はしばしじっとする。

いつの間にか霜柱踏み潰さなくなって
大人になる瞬間というのは多々あって、そのひとつがこれである。

内輪差を考慮したであろう位置で止まる
限られた駐車スペースで器用にバスを誘導する人を思い出した。

立ち上がったが七分遅延らしい
電車到着のアナウンスかと思って立ち上がり歩き出す。違うと知ってまた座ろうとするともう誰かが座っている時もある。

跡地を前に立ち尽くす忘れん坊な祖父の横顔
目に映るのは今か過去か。

ペン立てに埋もれた消しゴム救い出す
ペン立ての包容力は凄まじい。クリップもホチキスの針もボタンも、時には印鑑すらある。

記憶の中の祖父は立っている
私の記憶の中の祖父も立っている。黙々と薪を割りながら秋に立っている。

夜窓流れるドアに秘密抱えた私をあずける
夜の電車。席が空いていてもドアにもたれかかるもある。

 

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