雪深い重要文化財で茶道体験|関川村で伝統文化イベント開催


冬の厳しい環境での挑戦「第2回 日本の伝統文化を味わう会」
新潟県関川村の重要文化財・渡邉邸にて「第2回 日本の伝統文化を味わう会」が開催された。関川村DAOマネージャーのコテツさん、燕市で茶道・華道の先生として活動する高島さん、株式会社あるやうむ企画室室長でありDAOメンバーのハンディうにゃにゃんこの挑戦さんらが連携して実現したイベントである。第1回の成功を受け、今回はあえて雪深い冬の時期に挑戦し、県内各地から12名が参加。本物のプロフェッショナルたちが創り上げるこだわりの空間で、懐石弁当とお抹茶を通じた濃密な伝統文化体験が提供された。
「春・夏・秋・冬の四季を感じられるイベント」というテーマのもと、第1回(秋)の大盛況を経て第2回では「雪国の最も厳しい冬」をどう乗り越えるかが大きな課題であった。雪道によるアクセスの悪さや、人が出不精になりがちな季節というハードルがある中でも、「冬だからこそ味わえる風情がある」と決行。万全なリスクマネジメントのもと、12名の方々がこの特別な空間に集まった。
プロの技が集結した「芸術作品」としてのお茶席
今回の目玉は、管理栄養士監修のもと高島先生が作ったレシピで地元の食材も取り入れた「懐石弁当」とお抹茶のおもてなしであった。さらに三条市の老舗料亭のおかみさんが珍しい「明治天皇のお言葉が書かれた掛け軸」を持参し、お茶の席をより格式高いものに引き上げている。
お茶を点てる人、お道具や着物を用意する人、着付けを行う人、そして客の立場で場を盛り上げる人――それぞれが自身のプロフェッショナルなスキルや人脈を持ち寄り、全身全霊で準備に取り組んだ。主催者のうにゃさんは「準備の段階はまるで戦場のように真剣そのもの。しかし本番が始まると、一人ひとりが自分の役目を理解し、幕が上がった劇場のように心から楽しんでいました。皆で一つの『芸術作品』を作り上げている感覚でした」と振り返る。
天然岩海苔に込められた職人の想いと運命的な出会い
お食事では関川村「大島農縁」さんの新鮮なお野菜に加え、大島さん自らが日本海の荒波の中で収穫された「天然岩海苔」がお分けいただき、汁物として振る舞われた。大島さんからは「毎年年明け頃から、晴れ間を見ては荒れ狂う日本海へ下見に行きます。今年は1週間空振りの下見をした後、わずか1時間強の凪というラッキーなタイミングで収穫できました。大寒波のおかげで、甘味と香りが強い最高の天然岩海苔になりました」というご苦労と愛情が綴られたお手紙も届けられた。この貴重なストーリーとともに味わう一杯は、運営メンバーと参加者にとって格別な喜びとなった。
さらに印象的であったのは、会場に飾られた掛け軸の書き手(明治神宮の宮司さん)と、たまたま参加していたお客様の一人が「親戚」であったという奇跡的なエピソードである。「うちにも似たような掛け軸がある!」という話題で大いに盛り上がり、新潟県内のバラバラな地域から関川村に集まった人々が、不思議なご縁を感じながらドラマティックで濃密な時間を共有した。
参加者が感じた五感で味わう日本文化と癒し
参加者からは、冬ならではの情景と日本文化の奥深さに感動する声が多数寄せられた。「懐石弁当が本当に美味しかった。焼き魚が美味しかった。ごはんや手作りの漬物がいい」と語る30代男性、「着物を着てお客様にお抹茶を振る舞う機会がなかったので、とても嬉しかったです」と答える50代女性、「めったに着れない着物を着る機会があって楽しめた。サツマイモごはんや野菜たっぷりのおかずの懐石弁当がとても美味しかったです」と語る70代女性など、食事と体験の質の高さが実感されている。
また「雪景色をみんなで観る時間は、めったにない時間で、普段は開いていない戸を開けて頂き貴重な機会でした。雪玉のように真っ白な菓子(饅頭)が今日の日にぴったりで、器もそれぞれ違いがあり、掛軸も素晴らしかった」という60代男性の感想からも、季節感と美意識の結合がもたらす感動の大きさがうかがえる。
重要文化財への敬意と第3回への展望
イベント終了後、参加者全員で渡邉邸の拭き掃除を実施した。第1回の際、渡邉邸側から「普段はただのイベントスペースとして雑に使われることが多い中、むしろ綺麗にして返してくれたことが何より嬉しい」という感謝の言葉をいただいており、今回もその文化に対する敬意を忘れなかったのである。「伝統文化を味わうだけでなく、お借りする場にも全力でこたえる」という参加者たちの姿勢が、このイベントの質の高さを証明している。
第3回は、春の息吹を感じる4月26日に開催予定である。これまでは少し年齢層が高めの参加者が中心であったが、次回は関川村の地元の方々や、30代以下の若い世代、そして子供たちにも参加してもらうことを目標としている。「若い世代にこそ、この非日常を通した伝統文化の面白さや癒しの力に触れてほしい」という高島先生の願いのもと、今後は地元の学校などとも連携を模索しながら、さらに多くの方々にこの熱量と感動を届けていく予定である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000282.000091165.html