石見銀山ライブラリーがユネスコ最優秀賞受賞、世界遺産保全で高評価


ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞で最優秀賞を受賞
島根県立大学・島根県立大学短期大学部サテライトキャンパス「石見銀山まちを楽しくするライブラリー」は、2026年2月に「2025年ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞」において「最優秀賞(Award of Distinction)」を受賞しました。本賞はユネスコが主催し、アジア太平洋地域の優れた文化遺産の保存・修復・再活用の取り組みを表彰する国際的な賞です。
2025年は16カ国から90件の応募があり、25年の歴史の中で最多のエントリー数を記録しました。その中から10件のプロジェクトが表彰され、本学の取り組みが最高栄誉である「Award of Distinction」に選ばれています。
世界遺産内の歴史的建造物を再生
今回の受賞は、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」内に位置する歴史的建造物の価値を守りながら、地域に開かれた学びと交流の拠点として再生した点が高く評価されたものです。審査委員会は、19世紀築の旧商家をアダプティブ・リユースした優れた事例であり、プライベートな空間を地域密着型の施設へと変貌させていることを評価しました。
ライブラリーは「保全は教育」という理念を体現しており、大学と地元企業の連携を通じて、人口減少と来訪者の減少に対応するため、伝統的な家屋を再生するという地域に根ざした取り組みに貢献しています。内装デザインは石見銀山特有の鉱山景観から着想を得ながらも、元の材料をかなりの割合で保存し、地元産の材料を使用することで環境への影響を軽減しています。
地域に開かれた学びと交流の拠点
石見銀山まちを楽しくするライブラリーは、中村ブレイス株式会社と島根県立大学が連携して実現した施設です。義肢装具の製造販売を手掛ける中村ブレイス株式会社の中村俊郎会長の「地域に学びの場を作り、町に学生の活動で活力を与えたい」という思いと、島根県立大学の「地域とともにあゆむ」という考え方が共感し合い、旧松原邸を改装して運営されています。
大学だけが使用するサテライトキャンパスではなく、地域住民や観光客が利用できるライブラリーカフェ兼コワーキングスペースとして機能しており、書架(絵本約200冊、一般書約200冊)、カフェ、コワーキングスペース、ミーティングラウンジ、ギャラリー、プール、ゼミスペースなどを備えています。企画と運営を学生が行うことを学びの機会と捉え、木曜日から日曜日は無料で開放し、カフェでの飲食やコワーキングスペース(有料)、学生の企画した展覧会を行うギャラリーの運営なども行っています。
持続可能な遺産保全と地域振興を推進
島根県立大学は本受賞を契機として、地域に根ざした教育・研究活動をさらに推進し、文化遺産の持続可能な活用と地域活性化に貢献していく方針です。このプロジェクトは、長期的な連携を通じて持続可能な遺産保全と地域振興を促進した点が高く評価されています。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000088950.html