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新潮社の出版倉庫が美術ギャラリーに変身、創業130周年で改装オープン

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報道発表
「soko」入口 Ⓒ新潮社(プレスリリースより)

昭和の出版倉庫が産業遺産からギャラリーへ生まれ変わる

新潮社は創業130周年を迎える2026年に、昭和34年(1959年)竣工の出版倉庫を改装し、美術・工芸のギャラリー施設「soko」として新装開廊する。地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩2分の同社本館隣に建つこの倉庫は、戦後の出版業の隆盛期に新刊500万冊を収蔵するために建てられた5階建コンクリート造の建物である。延床面積約2500平米、設計施工は清水建設による。昭和41年竣工の本館とともに、昨年国の有形文化財に登録された近代日本の出版文化を象徴する産業遺産だ。

昭和の職人仕事と時代を映す建築構造

倉庫内は大量の本の荷重に耐えられるよう、太い梁が無数に走る武骨な内観を呈している。コンクリートの質や工法、木枠の跡による多様な表情、柱梁の角すべてに施された面取りなど、往時の真面目な職人仕事が随所に見られる。かつてはトラックが倉庫正面に何台も待機し、荷台に満載された本が各地の書店へ直接届けられていた。出版ブームの時代を経て、都外に新たに流通倉庫が建設されると、この倉庫の役割は大幅に縮小。約30年間の「長い眠り」に入ることになった。

青花事業が倉庫を目覚めさせる

倉庫の改修は一昨年2024年秋から始まった。建築家・中村好文の監修のもと、1階(一部)と3階が改装され、新潮社の青花室の事業がスタートした。青花室は2014年設立の会員組織「青花の会」を中核としており、『工芸青花』誌の刊行、美術・工芸分野の展示と講座、花会、茶会、骨董フェアなど年間約50本の企画を立案・実施している。特に故・坂田和實が集めた工芸品を展示公開する「坂田室」は、彼が主唱した「なんともないものこそ美しい」という美学を伝える場として注目される。新潮社は長年美術・建築関連書籍を広く出版してきた歴史を持ち、青花事業はその伝統を受け継ぐものである。

2026年3月27日、新装開廊を予定

soko2階の共用部のデザインも建築家・中村好文が担当。まるで大きな家の広間のような空間に、七つの引戸が備えられている。新装開廊は2026年3月27日(金)の予定で、一部予約制となる。施設の所在地は東京都新宿区矢来町71で、開館時間は11~20時。毎月第3水曜と年末年始等が休館日となっている。soko2階にはカフェや複数のギャラリー、ショップが入居予定。来訪者はこの歴史的建築を通じて、工芸的心性を探求できる場所となる。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002749.000047877.html