大阪芸術大学生が織田作之助青春賞受賞、新進作家の登竜門で285編の頂点へ


文芸学科4年生・高橋菜々実さんが織田作之助青春賞を受賞
大阪芸術大学文芸学科4年生の高橋菜々実さん(21)が「2025年度織田作之助青春賞」を受賞した。応募総数285編の中から選ばれた受賞作『なきがら』は、大阪芸術大学出身者として初の受賞となる快挙である。受賞作は2026年1月発売の文芸誌『三田文学』2026年冬季号に全文掲載され、3月4日には大阪市内で贈呈式が行われた。
若手作家の登竜門「織田作之助青春賞」について
織田作之助青春賞は、大阪生まれの作家・織田作之助(1913~1947年)にちなみ、彼が初めて懸賞小説に応募した24歳までの若手作家を発掘することを目的とした公募賞である。数多くの新鋭作家を文壇へ送り出してきたことで知られており、受賞作は伝統ある文芸誌『三田文学』に全文掲載されることから、プロへの確かな一歩を約束する賞として毎年全国から高い志を持つ若者が挑んでいる。2025年度は全国から285編の応募があった。
受賞作『なきがら』と高橋さんの創作姿勢
受賞作『なきがら』は、小学生の少女が下校途中に犬の死体を見つけ、そこに同級生の男子が現れる場面から始まる物語である。高橋さんは本作について、「子どもの頃から抱いていた大人や学校の先生に対する不信感や怒りがそのまま反映されている」と語った。影響を受けた作家に中上健次氏や綿矢りさ氏を挙げ、「無駄なものが極限まで削ぎ落とされているのに、描写が足りないとは感じさせない」ドライな文体を志向して執筆されたという。
芥川賞作家・玄月教授が見出した才能
高橋さんが所属するゼミの担当教員であり、第122回芥川賞作家の玄月教授は、3年生の時点で彼女の才能を見出していた。玄月教授は「初めて原稿を読んだ時、『読み手への不必要な親切』とも言える余分な文章が目についたが、この人は確固たる『型』を持っているとわかった。書きたいことが明確に伝わってきた。揺るぎようのない信念のようなものが。芸術においてそれは、最大の長所である」と評価した。「贅肉をそぎ落として、その長所を伸ばすことだけ考えたらいい」という指導に応え、高橋さんが自身の表現を磨き続けた結果が受賞をもたらしたのである。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000229.000044215.html