映画館でロイヤル・オペラ『椿姫』を堪能、エルモネラ・ヤオの圧巻の歌唱に注目


ロイヤル・オペラ『椿姫』が映画館で1週間限定公開
英国ロイヤル・オペラ・ハウスの舞台を映画館で体感できる「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ」の新シーズンが、2025年12月19日から2026年7月9日までの期間中、全9演目を各1週間限定で全国公開している。ヴェルディが作曲した名作オペラ『椿姫』は、2026年4月3日(金)~4月9日(木)にTOHOシネマズ日本橋ほかで1週間限定公開される。ライブ観劇とは一味違う、贅沢で至福の時間を大スクリーンと迫力ある音響で味わえる。
社会的リアリティを映し出した傑作オペラ
『椿姫』は、華やかな恋愛劇ではなく、社会から疎外された女性の愛と死を描いた作品である。オペラキュレーター・井内美香氏は、このオペラが19世紀に社会から疎外された女性の物語を同時代の作品として描いたことに本質があると指摘する。初演時には現代劇という設定が検閲を通らず、時代設定の変更を余儀なくされた経緯がある。真実は人々の心にトゲのように刺さるものであり、それを見たくないという心理は常に存在するという、その社会性の鋭さを示唆している。
リチャード・エア演出による完成度の高いプロダクション
本作はリチャード・エアによる演出で、1994年初演以来上演を重ねてきたロイヤル・オペラ屈指の人気プロダクションとなっている。井内氏は「美しいが決して派手すぎない舞台と衣裳、台本に忠実で奇をてらわないリアルな演出は、この作品の本質を的確に表現している」と賞賛する。加えて「長く愛されてきたことが納得できる優れたプロダクション」とも述べており、演出の完成度の高さと普遍性がうかがえる。
エルモネラ・ヤオの圧巻の表現力が最大の見どころ
今回最大の見どころは、ヴィオレッタ役のエルモネラ・ヤオである。本役を300回以上歌ってきた彼女が、円熟した歌声と圧倒的な表現力で、これまでを超える到達点を提示している。終幕では思わず涙を誘うほどの感動を生み出しているという。井内氏はヤオについて「成熟した深みのある響きをまとい、ドラマティックな表現から声量をぐっとしぼったピアニッシモまで自在に操るテクニックは見事の一言だ」と熱弁する。さらに「オペラが後半に進むにつれて表現力はさらに増し、最後の場面の迫力は圧倒的だ」と語り、何度観ても自然と涙があふれると、その圧巻の表現力を絶賛している。
実力派が集結した高次元の融合
本作には、指揮のアントネッロ・マナコルダをはじめ、ジョヴァンニ・サラ、アレクセイ・イサエフら実力派が集結している。歌・演技・音楽が高次元で融合し、ロイヤル・オペラの歴史に残る完成度の上演となっている。井内氏は指揮者が「歌手たちからドラマを最大限に引き出しつつ、推進力のある音楽づくりを実現している」と評価しており、キャスト・音楽両面での充実ぶりを強調する。英国ならではの高い演劇性も相まって、本作は「とびきりのプロダクションとして人々の記憶に残る」舞台となっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000016700.html