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中古マンション市場に異変、都心5区で値下げ圧力が過去最高に

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報道発表
出典:福嶋総研(プレスリリースより)

2026年第1四半期の中古マンション市場動向

2026年第1四半期、東京の中古マンション市場に変化の兆しが見え始めている。一見すると大きな変動は見られないものの、エリア別の詳細な分析を行うと、市場に明確な歪みが生じていることが分かる。特に東京都心部とそれ以外のエリアにおいて、市場の温度差が徐々に顕在化している。

都心5区で拡大する値下げ圧力

前四半期と比較して最も顕著な変化は、都心5区における値下げ幅の拡大である。2025年10月~12月における都心5区の中古マンションの値下げ率は5.77%であったのに対し、2026年1月~3月は6.24%へと上昇しており、これは2023年以降で最大の水準となっている。

さらに注目すべきは、この値下げ率が2024年7月~9月以降、継続的に高くなっていることである。単発的な調整ではなく、売主側が価格修正を余儀なくされる構造的な圧力が強まりつつあると考えられる。これまで価格上昇を牽引してきた都心5区において、需給バランスに変化が生じ始めていることは、市場全体にとって重要なシグナルといえるだろう。

23区全体は依然として安定推移

一方で、東京23区全体で見ると状況は大きく異なる。2026年1月~3月の中古マンション値下げ率は5.53%と、前四半期と比較して微増にとどまり、全体としては横ばい圏での推移が続いている。

このことから、マクロ的に見た23区市場においては、急激な市況悪化や需給崩壊といった兆候は確認されていない。すなわち、都心5区で見られる値下げ圧力の強まりは、23区全体に波及しているわけではなく、特定エリアに限定された現象である。

都心5区で進む売れにくさ

さらに、都心5区における販売期間および値下げ回数の推移を見ると、いずれも増加傾向にあることが分かる。これは単に価格を下げているだけではなく、「値下げをしても売れにくい」という状況が生じていることを意味する。

従来であれば、一定の価格調整を行えば成約に至っていた市場環境と比較すると、現在は買主側の選別がより厳しくなっていることが推察される。価格だけでなく、立地・築年・専有面積・ブランドといった複合的な要素において、より高い水準が求められている可能性がある。

これに対し、23区全体では販売期間・値下げ回数ともに前四半期と大きな差はなく、流動性の観点でも横ばいで推移している。市場全体として流動性が低下しているわけではなく、都心5区においてのみ流動性の低下が顕在化しているのである。

市場の二極化と調整局面への突入

こうした動きの背景には、2023年以降に顕在化した中古マンション市場の構造変化が存在する。特に象徴的であったのは、2023年7月から翌年7月にかけて、各月の成約坪単価が新規売出坪単価を上回るという異例の現象である。

この期間においては、高価格帯の中古マンションが優先的に売却される状況が発生した。しかし、この歪みは長期的に持続可能なものではなく、市場は「実需に支えられた適正価格帯」と「期待先行で上昇した高価格帯」に分断されつつある。

2026年に入り、この二極化の影響がより鮮明になっている。特に都心5区のような高価格帯マーケットにおいては、これまで上昇を続けてきた反動が顕在化し始めている。購入検討者側においては、金利環境や将来不確実性を踏まえた慎重姿勢が強まり、売主側の価格設定とのギャップが拡大していると考えられる。

今後の市場展望

現在の中古マンション市場は「全面的な下落局面」ではなく、「エリアおよび価格帯ごとの選別が進む局面」にあると整理できる。特に都心5区においては、これまでの上昇局面に対する調整が本格化しており、短期的には軟調な動きが続く可能性がある。

一方で、23区全体では依然として流動性が維持されており、実需に支えられたマーケットは底堅さを保っている。今後の市場分析においては、「都心=強い」という従来の単純な図式ではなく、より詳細な需給構造の把握が不可欠となるだろう。市場は現在、次の成長局面に向けた調整フェーズにあると考えられ、どのエリア・どの価格帯が持続的な需要を獲得できるのかが、今後の焦点となる。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000013438.html