当事者発想で善意の空回りを解決!4月17日に新刊発売


善意はなぜ空回りするのか
「誰かのために」という言葉は美しい。しかし、その美しさの裏側には構造的な問題が隠されている。助ける側は「これが役に立つはずだ」と合理的に判断するが、助けられる側には自尊心や過去の経験から来るこだわり、不安がある。同じ行為でも「自分を否定された」「管理されている」と受け取られることがあるのだ。
株式会社クロスメディア・パブリッシングが2026年4月17日に刊行する新刊『当事者発想 あなたの「誰かのため」は、何のためか?』は、この「前提の不一致」を社会的構造(権力の非対称性)、経済的構造(市場による善意の回収)、心理的構造(「やった感」という認知バイアス)の3層に分解する。善意が支配に変質するメカニズムを明らかにすることで、SDGs、DE&I、DXなど「正しい」とされるテーマに賛成はできても、自分ごととして動けないビジネスパーソンの違和感に応えるのだ。
「ひとりのため」から社会を変える技術
本書の核心は、「みんなのため」から始めると誰にも届かず、「ひとりのため」から始めた解だけが結果として社会を変えるという逆説にある。曲がるストローは、コップを傾けられない子どものために生まれ、やがて世界中の飲食体験を支えるインフラになった。字幕は聴覚障害者のための補助技術から、いまや若年層が「ないと見づらい」と感じるほどの文化に変化している。カーブカット(縁石の切り下げ)は車椅子ユーザーのために設計され、ベビーカーや旅行者、高齢者など都市を移動するすべての人に恩恵をもたらしている。
本書はこれらの事例を「点→線→面」というフレームワークで構造化する。当事者の具体的な困難を「点」として定義し、現状(As-Is)とありたい未来(To-Be)を結ぶ「線」=戦略を見出し、同じ構造に巻き込まれる可能性のある領域へと「面」として普遍化する3ステップである。このフレームワークをフットマークの通学カバン「ぴったセル」、小児がん経験者の経験談でつくられるWebサイト『シャイン・オン! フレンズ』などの企業実践事例とともに詳細に解説しており、デザインリサーチャー・佐藤徹氏、デザイナー・川合俊輔氏、建築家・各務太郎氏の3名による実装的なアプローチが特徴だ。
AI時代に求められる「問いを立てる力」
本書はAI時代における当事者発想の不可欠性にも踏み込んでいる。ChatGPTやGeminiは、すでに言語化された課題を要約・整理・組み替えることに長けている。しかし、まだ名前のない違和感、当事者自身も言葉にできていない問題を生成することはできない。見えている問題はより見えるようになり、見えていない問題はより見えなくなるという逆説的な状況において、当事者発想は「問いを立てる技術」として決定的な意味を持つ。現場に身を置き、当事者と同じ時空を共有し、データには現れない文脈を身体感覚で察知するプロセスは、原理的にAIには代替できないのである。
本書は360ページの実践書として、児童福祉・小児医療・企業の新規事業開発など多領域の実践知に基づき、「問いを立て直す技術」を提示する。付録として実務で使うためのフレームワーク「N=1キャンバス」も収録しており、6ステップで「答えるべき問い」を体系的に整理できるようになっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000936.000080658.html