ケアとクィアネスが交差する展覧会「ドゥーリアのボールルーム」が2026年6月に開催


異なるマイノリティが交わる新たな連帯の実験
アートセンターBUGが運営するアートワーカー向けプログラム「CRAWL」に選出された企画「ドゥーリアのボールルーム」が、2026年6月10日から28日まで開催される。本プロジェクトは、異なるマイノリティが交差する地点を検証し、新たな連帯の可能性を模索する試みとしてスタートした。
「ケア(生を支えること)」「クィアネス(規範を揺さぶること)」あるいは「グリーフ(喪失と共にあること)」が重なり合う場所に立ち、その「居合わせ」の瞬間に生まれるAesthetics(美学/感性学)を解明していくプロセスを展示する。
医療的ケア児の家族によるドラァグパフォーマンスが見どころ
展覧会の大きな見どころは、医療的ケア児の家族によるライブ・パフォーマンスである。ケアラー(家族)がドラァグクイーンへと変容し、子どもたちの声や音に身体を委ねるリップシンク・パフォーマンスは、固定化された役割を超えた「生」の輝きを放つ。これは単なるショーではなく、連帯の端緒を捉えるための切実な実験場だ。パフォーマンスが行われない時間には、会場は展示とインタラクションの場として、ゆったりと滞在できる空間へと姿を変える。
会期中の週末に医療的ケア児の養育者によるドラァグパフォーマンスの実施が予定されている。詳細・予約方法はウェブサイトやSNSでご案内される予定だ。
誰もが「そこにいてよい」公共圏としてのアートセンター
BUGという場所は、誰もが自分のペースで滞在できる「公園」の理念に沿うような空間として開き直される。車椅子での来場はもちろん、その場に居続けることも、あるいは「たん吸引」のために大きな音を出すことも許容される。既存の鑑賞規範を解きほぐし、多様な身体や背景を持つ人々が等しく「そこにいてよい」と感じられる場所が創出される。
写真・動画・生物を起点としたインスタレーション展示を通じ、共に生きるための「居場所」の残像と予感が描き出される。アートセンターを市民のための公共圏として再定義する取り組みだ。
企画者の遺志を引き継いで実現
企画者のも(MO)は、台北育ち京都市在住で、NPO法人Dance Boxのダンスカンパニー「Mi-Mi-Bi」のメンバーとして活動していた。システムエンジニアとしてのキャリアを持つ傍ら、自身の病や医療経験を通じて「ケア」とその対象が持つ共振性に関心を持つようになり、言語化しにくい概念をアイディアで直感的に理解できるような企画を立案してきた。2026年4月19日にご逝去されたが、ご遺志はご家族の理解のもと、関係者一同により実現される。
開催概要
会期は2026年6月10日(水)から28日(日)まで、11:00~19:00の営業時間で火曜休館、入場は無料。アートセンターBUGはJR東京駅八重洲南口直結、東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分、東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分の場所にある。多目的トイレやアクセシビリティへの配慮がされており、様々な事情を持つ来館者に対して、スタッフが可能な範囲でサポートや情報提供に努めている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000030084.html