兜町が変わる。parkERsが手掛けた外構再生が建築デザイン賞を受賞


閉じた金融街から開かれた街へ
parkERsの空間デザインプロジェクト「兜町第1平和ビル・兜町第6平和ビルki-ten」が、国内最大級の空間デザインアワード「TECTURE AWARD 2025」において「特別賞U-35」を受賞した。築43年のビル外構を再生し、証券・金融の街として知られる日本橋兜町に新たな価値をもたらす取り組みが、1,033作品の中から選ばれている。
「TECTURE AWARD」は専門家の視点と一般投票によって選ばれる開かれたアワード。「特別賞U-35」は次世代を担うデザイナーの感性が光る作品が選出される。平和不動産株式会社によるこのプロジェクトは、目的地への往来のみで終始していた「閉じた金融街」において、人々の意識や行動の変容を促す滞在空間を提示し、都市の新たな居心地を創出した点が高く評価されている。
誰もが自由に過ごせるパブリックスペースの実現
兜町は、渋沢栄一が拓いた近代経済の起点であり、2021年の「KABUTO ONE」開業や「K5」、約100社を超える資産運用会社・フィンテック等が集積する「FinGATE」の開発により、エリア全体で急成長を遂げている。しかし多くのビルが立ち並ぶ中、人々が休める場所が少ないことが課題だった。
parkERsは建物に訪れた人が誰でも自由に過ごせる、街にひらけたパブリックスペースを提案。建物周辺の施設に訪れた人なども興味が湧いて気軽に利用したくなるよう企画された。「金融」や「活発」な街の印象からイメージカラーをイエローに設定し、この滞在空間が人と街をつなぎ、新たな活気と愛着を生み出す場となるよう「ki-ten(起点)」と名付けられている。ベンチ&サイドテーブル、ハイカウンター、ボックス席など、さまざまな用途に応じた過ごし方が想定され設計されている。
革新的な可変家具と夜間ライトアップ
このプロジェクトでは、新たに開発された可変性のある家具が特徴的である。ベンチの座面は可動式で横にスライドでき、利用人数に応じて周囲との間隔を調整できる。車の進入を制限するボラードをイメージした支柱には取り外し可能な天板が付き、サイドテーブルとして機能する。ドリンクホルダーの穴が空いているものなど、バリエーションが用意され、ビル周辺に点在するカフェのテイクアウトカップが収まるよう工夫されている。
夜間も特別な魅力を発揮する。蛇籠に仕込んだガラスの石が光を灯し、空間全体で一つのラインが浮かび上がり足元を照らす。3Dプリンターで制作したランプシェードは「兜」の文字からパターンをつくり模様をほどこしたデザイン。末広がりの願いを込めた八角形の照明は、コトはじめの街・金融の街として知られる縁起の良い兜町のニュースタンダードとして新たに開発された。
金融の街にちなんだ植栽計画と森林保全
植栽計画も街の特性を反映している。「金運」「気品」といった花言葉を持ち黄色い花を咲かせるヤマブキ、実を沢山つける姿が「財宝」を連想させるキンカンなど、金融の街から連想する花言葉や縁起の良い文化的背景を持つ樹種が織り交ぜられている。イメージカラーのイエローを軸に、視覚からもにぎやかさを生む植栽計画が行われた。
また、植物のマルチングに用いたウッドチップ、樹名板、壁掛けポスターフレームの背面には、「東証上場の森」が所在する秋田県由利本荘市矢島地区のスギが活用されている。街づくりを通して森の保全活動に寄与する取り組みとなっている。ポスターフレームには周辺のショップやスポットが集約されたオリジナルマップが設置され、このパブリックスペースを基点に兜町一帯を楽しんでもらいたいという施主の想いが反映されている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000007230.html