日本橋兜町の「ki-ten.」がTECTURE AWARD 2025特別賞を受賞


オフィス街に生まれた新しい滞在空間「ki-ten.」
平和不動産株式会社のビル外構リノベーションプロジェクトで誕生した「ki-ten.(キテン)」が、国内最大級の空間デザインアワード「TECTURE AWARD 2025」の「特別賞U-35」を受賞した。このプロジェクトは、株式会社パーク・コーポレーションの空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」との共同推進によるものである。
日本橋兜町は日本初の銀行や証券取引所などの金融機関が発足した「コトはじめ」の街として知られ、渋沢栄一の邸宅跡地に建てられた日証館など、歴史的な建造物が多数残っている。平和不動産は金融街である本エリアに、個性あふれるカフェやレストラン、ギャラリー、ホテルなどを誘致し、活気と賑わいあふれる街並みへと進化させてきた。
誰もが心地よく過ごせるランドスケープデザイン
「ki-ten.」は、街で働く人・暮らす人・訪れる人・滞在する人が自由に心地よく過ごせる空間を目指して、「兜町第1平和ビル」と「兜町第6平和ビル」の外構を一体で整備した。街には気軽に休息し心地よく過ごせる場所が少ないという課題を踏まえて、建物外の外構部分を作り変えることで、訪れた人々も利用したくなるようなオープンスペースへと再生させている。
イメージカラーには「伝統ある金融街」かつ「新しい変化が生まれる高揚感」を彷彿させるイエローを採用。名称の「ki-ten.」には、「起点」「輝点」「気点」「樹点」「黄点」といった多様な意味が込められており、それぞれの「点」が交わることで、訪れる人々に新たなアイデアやつながりをもたらす場所を目指している。敷地内にはベンチ、サイドテーブル、ハイカウンター、ボックス席など、一人でくつろぐ時にも誰かと談話する時にも、様々な用途と目的に沿う過ごし方を提案している。
可変性とライトアップで表情が変わる空間
ベンチの座面は横にスライドできる可動式のため、利用人数に応じて周囲との間隔もカスタマイズできる。車の進入を制限するボラードをイメージした支柱は、取り外し可能な天板をつけることでサイドテーブルとしても使用できる。ドリンクホルダーは一人用のコンパクトなサイズから複数人での利用を想定した複数穴タイプまで、バリエーションをもたせて使い勝手に合わせた選択が可能である。
夜間には蛇籠に埋め込まれたガラスの石に光がともり、空間全体が一本のラインで結び付くような様子に変化する。このパブリックスペースを起点に街に繰り出してほしいという思いを込めて、周辺ショップや名所スポットを集約したマップや時折々のイベント情報を紹介するポスターも設置されている。
季節ごとに表情が変わる植栽計画
金融街から連想される花言葉や、「繁栄」や「豊かさ」の象徴として親しまれてきた樹種を織り交ぜた植栽計画を施している。「金運」「気品」の花言葉で黄色い花を咲かせるヤマブキや、冬場にかけて実が色づく姿が「財宝」を連想させるキンカンが選定された。
イメージカラーであるイエローを軸に、春に黄色い花をつけるサンシュユ、秋に黄葉するコハウチワカエデ、冬に甘い香りの黄色い花をつけるロウバイなど、季節ごとに表情の変化を楽しめる樹種も選定している。さらに、ウッドチップ、樹名板、壁掛けポスターフレームの背面には、「東証上場の森」が所在する秋田県由利本荘市矢島地区のスギを活用。こうした土地ゆかりの森の資源を都市の街づくりに積極的に取り入れることで、森林整備と木材需要の好循環を生み、間伐や再造林といった森の保全に寄与している。
TECTURE AWARD 2025について
「TECTURE AWARD」は、建築・デザインのプラットフォーム「TECTURE」が主催する国内最大級の空間デザインアワードである。空間の意匠性や機能性、そして社会への貢献度を基準に、全国から応募された優れたプロジェクトを表彰している。今回受賞した「特別賞U-35」は、次世代を担う35歳以下の若手クリエイターによる、既存の枠組みを越える創造的な空間デザインに贈られるもので、今年度は1,033作品の応募があった。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000185.000024148.html