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喪失と記憶を描く画家・石神雄介の個展「Echoes」5月開催

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絵画(日本画・洋画)・美術展
報道発表
≪Echoes≫ 727×910㎜ / Oil on canvas / 2026年(プレスリリースより)

記憶とイメージが響き合う個展「Echoes/エコーズ」

ギャラリーQuadrivium Ostium(神奈川県鎌倉市)は、2026年5月16日(土)から5月31日(日)まで、画家・石神雄介の個展「Echoes / エコーズ」を開催する。喪失と記憶をテーマに、油彩で描かれた作品たちが展示される本展は、絵画と言葉が響き合う石神の世界観を体験できる貴重な機会である。

言葉と絵画が共鳴する作品の特質

石神雄介の作品の大きな特徴は、言葉と絵画がともに響き合うことで完成するという点にある。『月明かりの中、波打ち際を歩いた。何か大切なものをなくしてきた』という石神自身のメッセージから始まる展示では、記憶をモチーフに、時間、土地と移動、無意識と意志の交差点が描き出される。「Echoes / エコーズ」は「こだま」という現象を指し、音が山や谷に反響しながら変容していくように、記憶のイメージと感情が時間と空間を超えて呼応し、やがて別の誰かの内部で新たな形として現れることを表現している。

ユング心理学とバルト思想に通じる思索の深さ

画面に繰り返し現れる水、光を携えた人物、闇の中に蠢く者は、カール・グスタフ・ユングが唱えた元型(アーキタイプ)の現代的変奏として読み解くことができる。また、石神の『言い表せないその領域の存在こそが、私たちたり得るために必要なのかもしれない』という言葉は、ロラン・バルトが問いかけた「白いエクリチュール」という沈黙の地帯と深く共鳴している。絵が完成した瞬間に作者の意図から離れ、観る者の記憶や無意識と結びついて新たな「こだま」を生み出し続けるという構造は、バルト的なテキストの開放性そのものといえる。

生の痕跡から生まれる普遍的な問い

石神作品の魅力は、私的な歴史の実存との結びつきが、概念的な夢想絵画に陥ることを防いでいる点にある。個人的な記憶が生み出す磁場は、論理的な語りに抵抗し、直接的に鑑賞者の内部へ届けようとする「土台としての重力」を与えている。普遍へと開かれると同時に深く私的であること、その矛盾を矛盾のまま抱えていられることが、石神作品の本質的な力となっている。

展覧会の詳細情報

展示期間は2026年5月16日(土)~5月31日(日)で、営業時間は11:00~17:00である。休廊日は火・水・木(5月19日、20日、21日、26日、27日、28日)となっている。予約は不要で入館料は無料。会場はQuadrivium Ostium(〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32)で、鎌倉駅東口4番バス乗り場から京浜急行バスに乗車し「泉水橋」バス停下車後、徒歩5分でアクセスできる。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000127951.html