馬で本を運んだ女性たちの物語、くもん出版が5月刊行


1930年代アメリカの騎馬図書館員たちの活躍
株式会社くもん出版は、絵本『希望を運んだ図書館 馬に乗って本をとどけた女性たち』を2026年5月25日に刊行する。本作は作:ローレン・H・カースティン、絵:ベッカ・スタッドランダー、訳:中井はるのによる、世界恐慌に直面した1930年代のアメリカを舞台にした一冊である。
当時のアメリカ山あいの町や村には図書館がなく、へき地に住む人々が本を読む機会は極めて限定的であった。ケンタッキー州東部では文字を読める人の割合は人口のわずか3割ほどで、識字率の向上が社会的課題となっていた。こうした状況を改善するため、大勢の女性たちが「騎馬図書館員」として立ち上がり、へき地の住民に本を届ける活動を展開した。
困難に直面しながらも本を届け続けた女性図書館員たち
騎馬図書館員たちは悪路や悪天候、時には住民の無理解に直面しながらも、「本はほしいと思うすべての人に、平等に届くべきだ」という信念を貫き活動を続けた。彼女たちの役割は本を届けるだけにとどまらず、けがや病気の人のために読み聞かせを行ったり、子どもたちに文字の読み書きを教えたりするなど、読書を通じた教育支援も実施。本を通して人々に新たな知識と感動をもたらし、より良い仕事へと導いた。
資料的価値の高いガールズ・エンパワメント作品
本書は作者による綿密なリサーチと取材に基づいており、巻末資料には実際の写真とともにプロジェクト誕生の経緯や社会への影響について解説されている。日本ではほとんど知られていない騎馬図書館プロジェクトの全貌が理解できる、資料的価値の高い一冊となっている。
当時活躍した騎馬図書館員のほとんどが女性であり、女性の就業率や社会的地位が高くなかった時代に、読書機会の平等化と識字率向上に大きく貢献した史実は、現代を生きる者たちにも勇気を与えるものである。日本語訳は「グレッグのダメ日記」シリーズなど数々のベストセラー海外児童文学の翻訳を手がけた中井はるの氏が担当し、外国の歴史を日本の子どもたちにも理解しやすく翻訳している。
教科書の副読本としても活用可能
令和6年度版小6国語教科書(光村図書)に、山岳地帯に住む少年と騎馬図書館員の交流を描いた『ぼくのブック・ウーマン』が単元教材として掲載されている。本書とあわせて読むことで、教科書では明かされないブック・ウーマン(騎馬図書館員)たちの素性や目的についてさらに深く理解することができ、学校図書館の蔵書としてもおすすめの一冊である。
定価は本体1,600円+税。対象は小学校中学年からとなっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000174615.html