飛騨古川の町並みの心「そうば」を解き明かす。タウントレイル3発売


20年ぶりの新作ガイドブック『飛騨古川タウントレイル3』が発売開始
岐阜県飛騨市は、町並みガイドブックシリーズの最新作『飛騨古川タウントレイル3~「そうば」と町並みを読み解く~』を5月より「飛騨の匠文化館」にて販売開始した。作家・司馬遼太郎氏が「みごとなほど、気品と古格がある」と称賛した飛騨古川の町並みの美しさを支えてきた住民精神を解き明かす特別な一冊である。前作の『タウントレイル2』から20年ぶりの待望の発刊となり、飛騨市、新潟大学、地域住民が三位一体となり、2023年度から3年間にわたり重ねた調査研究の成果を全36ページに凝縮した。
住民主導による町の総点検「タウントレイル」とは
「タウントレイル」とは、行政主導で作られる一般的な観光ガイドブックとは異なり、イギリスを発祥とする「住民主導による町の総点検」を形にしたものである。飛騨市古川町ではこの手法をさらに進化させ、「地域住民」「行政」に加えて、専門的な知見を持つ「研究機関(大学)」を加えた三者連携による独自の取組みを行っている。住民が自らの町を歩き点検する主観的なプロセスに、大学による客観的・学術的な視点が合わさることで、普段の暮らしの中では気づかなかった景色の価値を再認識し、地域全体の景観意識を未来へ高めることを目指している。
美しい町並みを支える住民精神「そうば」に着目
これまでの「飛騨古川タウントレイル」は、1993年の初版で町並み・まちあるき編、2006年の第2弾で木組や町並みの隠れた宝物編として、飛騨古川の町並みの特徴や飛騨の匠が誇る建築技術に焦点を当ててきた。約20年ぶりとなる第3弾でスポットを当てたのは、それらの美しい建物や町並みを育み、守り続けてきた住民の精神性「そうば(相場)」である。飛騨古川の町並みは、古い建物をそのまま保存しているだけで成り立っているわけではない。新旧の町家が混在しながらも、全体として心地よい調和が保たれている背景には、自分の家だけを際立たせるのではなく、町全体の景観に気遣う「思いやりの心(=そうば)」が脈々と受け継がれているからだ。本書では、実際の建物の意匠や暮らしの工夫が、どのように周囲と歩調を合わせているかを、豊富な写真と図版を交えてわかりやすく解説している。
3年間の調査研究から生まれた成果
本書の制作にあたっては、2023年度から2025年度までの3年間、飛騨市と新潟大学が連携し、地域住民と共に原稿を手にしながらの「まち歩きワークショップ」や丁寧な取材を重ねてきた。飛騨市古川町は明確な基準がない中で、住民の景観意識により新旧の町家が混在しつつも統一感ある「生きた町並み」が形成されている。その意識を紐解くため、飛騨市と新潟大学都市計画研究室が連携し、景観に対する住民意識の調査研究を行い、古川町市街地の住宅や店舗の施主、大工、設計士に対してヒアリング調査を実施。古川の住民意識「そうば」とは、個性を尊重しつつも、周りとの調和を重んじる「思いやりの心」であり、本誌面では個々の建築様式がどのように周囲と歩調を合わせているかをイラストと解説で紹介している。
商品概要と販売情報
『飛騨古川タウントレイル3~「そうば」と町並みを読み解く~』はB5判で全36ページ、販売部数200部、販売価格は1冊500円(税込)である。販売場所は飛騨の匠文化館(岐阜県飛騨市古川町壱之町10-1)で、木曜日定休、営業時間は平日8:30~17:15となっている。販売開始日は令和8年5月からで、現在好評販売中である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000120394.html