記憶の断片を縫い合わせる展覧会、婦木加奈子の成果展が大阪で開催


生活の痕跡を手芸的手法で表現する美術家
大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]では、美術家・婦木加奈子の成果展「縫い継がれるものたち」を開催する。婦木加奈子はこれまで、生活の風景や人の営みの痕跡を主題に、身近な素材と手芸的手法を用いた彫刻作品を発表してきた。本展では、大阪府立江之子島文化芸術創造センターでの滞在制作から生まれた作品と、その背景にある時間の積み重ねを紹介する。
ワークショップから生まれた対話の場
滞在期間中、会場には子どもから大人まで誰もが自由に参加できる縫い物の遊び場「縫の場」がひらかれた。多様な素材をつなぎ合わせ、ほころびを繕い、糸で線を描くというゆるやかなルールのもと、手を動かす時間と対話が重なり、新たな物語が立ち上がった。日々の暮らしの中で使われてきた布や、旅の記憶を宿した断片などに目を向け、それらが時を経て別の場所や営みの中で仕立て直されていく過程をたどることで、記憶の断片を縫い合わせていく営みが展開されている。
記憶と経験が響き合う展示
個々の手の動きがかたちとなる作品群は、かつての生活に触れる手がかりとして素材に向き合いながら制作されている。滞在中に出会った記録や対話、日々の実感が丁寧に制作へと結びついているのだ。「引き継ぐもの」「おくるもの」「のこすもの」といったテーマから、ワークショップという共有の場から生まれる関係性の集積を表現する。鑑賞者それぞれの経験と静かに響き合い、日常を見つめ直す契機となるだろう。
展覧会情報と特別イベント
展覧会は2026年6月27日(土)から8月1日(土)まで、大阪府立江之子島文化芸術創造センターenoco 4F ルーム2、3で開催される。開館時間は10:00~19:00(月曜休館)で、入場は無料。7月18日(土)14:00~16:00には、婦木加奈子と奈良県立大学地域創造学部講師・風間勇助によるトークイベント「対話の場づくり『縫の場』」が同センターのライブラリーで行われる。定員15名で事前申込制(先着順)。詳細は公式ホームページで確認できる。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005045.000029501.html