明代の書の至宝が日本初公開、大阪で特別展開催


台北の貴重なコレクション82件が一堂に
台北の何創時書法芸術基金会が所蔵する明代の書の優品82件が、2026年秋に大阪市立美術館で日本初公開される。同基金会が誇るおよそ2,500件のコレクションの中から精選された展示であり、このうち72件、出品の9割近くが日本での初公開作品である。何創時コレクションがこの規模で日本で紹介されるのは初めての機会となる。
明代の書の多様性と躍動感
明代の書は表現の多様性が特徴である。晋唐の古典を学びながらも、宋元の書風を取り入れたり、連綿草や小楷、篆書や隷書など多種多様な表現が生まれた。宋元時代までは書が主に手元で鑑賞されていたのに対し、明代には掛軸や扇面が広く行われるようになり、特に明末に向かうに従って掛軸は大型化して「長条幅」が多く制作されるようになった。書は「机上の芸術」から「壁面の芸術」へと進化し、多字数を草書で連続して揮毫する「連綿草」が流行した。
蘇州派から華亭派へ、名大家の傑作揃い
特別展では、明代中期に蘇州を中心に活躍した祝允明・文徴明・王寵らの呉派、後期に書壇の主流を占めた松江の張弼・董其昌・陳継綬らの華亭派に代表される大家の名品が並ぶ。祝允明の8メートルを超える長巻「草書蚕衣五篇」は力強く古風な筆法で知られ、文徴明の「行書陶淵明飲酒詩」は王羲之と趙孟頫の書風を融合させた晩年の熟達した書きぶりを示している。董其昌の「草書論書与臨王羲之十七帖」は書論と臨書を併せた流麗秀逸な作品である。
明末清初の個性際立つ作品も充実
米万鍾・張瑞図・黄道周・王鐸・傅山・許友ら明末清初の名家による個性的な作品も多く展示される。張瑞図の「草書王世懋詩」は素早い筆運びと縦に伸びた筆法が躍動感を生み出し、王鐸の「臨王羲之意適帖」は王羲之の原本にとらわれない自在な連綿草を示している。倪元璐の「行書李商隠詩」は筆の速度と乾湿で変化をつけた沈着かつ重厚な風格が特徴であり、傅山の「草書酔後浪書」は酒に酔った勢いで情緒を込めて奔放に筆を走らせた作品である。
江戸時代から現代まで影響を与え続ける書
江戸時代には文徴明や董其昌らの書をもとに「唐様」が流行し、黄檗僧らがもたらした明末清初の書は近代になると大胆で個性的な表現として注目されるようになった。今日の書の団体展や公募展でも、漢字分野では手本の対象として多く習われている。何創時コレクションには明代中後期から米万鍾、張瑞図、黄道周、王鐸、倪元璐、傅山、許友などの明末清初の作品までが充実しており、一般の方々はもとより、現代の書家にとっても参考になる特別展となる。
2026年秋、大阪での開催概要
特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」は、2026年10月9日(金)から12月20日(日)まで大阪市立美術館で開催される。開館時間は午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)で、毎週月曜日が休館となる。観覧料は一般2,000円、高大生1,200円、小中生500円で、前売・団体料金も設定されている。本展の観覧券で企画展示もご覧いただけるほか、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000135074.html