ライブハウスが直面する開発圧力、大阪アメ村で考える
ライブハウスの立ち退き問題とPangea EXPO開催
大阪・アメリカ村のライブハウス「Pangea」が15周年を記念して、6月13日(土)に大型イベント「Pangea EXPO」を開催する。現在、ビルオーナーから退去を求められ法的係争状態にあるPangeaだが、「立ち退く必要はない」との立場を堅持しながら、これからも活動を継続する意思を表明するため本イベントを企画した。アメ村エリア14会場での音楽ライブに加え、クリエイティブディレクター・引地耕太氏、弁護士・亀石倫子氏ら有識者を交えたトークセッションを実施し、ライブハウスが直面する問題と都市開発との向き合い方について語り合う。
アメ村の地価高騰と文化的スポットの消失
Pangeaの問題は同ハウスに限った話ではない。アメ村エリアでは近年、地価の高騰が進み、個人店や文化的なスポットが姿を消しつつある。一方、昨年開催された大阪・関西万博は「市民の参加や情報発信が、文化活動を加速させ、携わる人々の暮らしを豊かにする」という構造を可視化した。この万博のアートプロジェクトでプロデューサーとして活躍した引地耕太氏を運営チームに迎え、Pangea EXPOは音楽・アート・地域活動を横断するイベントとして企画されている。音楽ファンに限らず街の人々を巻き込む形を模索し、当日はアートプロジェクト、ゴミ拾い活動との連動、トークセッションなど複合型イベントとして展開する。
文化を生成する装置としてのライブハウスの役割
引地氏は「ライブハウスは文化を生成する装置である」と語る。ライブハウスがなくなった時に失われるのは、単なる演奏の場ではなく「街や街の人々が自ら文化を立ち上げていく」という仕組みそのものなのだ。ニューヨークのソーホーやブルックリン、ポートランドでも同じことが起きてきた。文化を生む人材が流出すると、消費する人ばかりになり街の魅力が失われていく。さらに開発側は「このエリアの文化を残す」という名目で、表層的なイメージだけを汲み取って街をデザインしていくという問題も生じている。
経済と文化のバランス、制度設計の重要性
E-DESIGNの寺浦薫氏は「生きたカルチャーが発生しない都市では、ホテルのような施設だって将来的には人を呼び込めなくなってしまう」と指摘する。御堂筋の活性化を考える際にも、道路の両側で生み出される文化が重要だと強調する。経済と文化の対立になると、文化側が負けることが多いため、制度設計の面で後押しが必要なのだ。6月13日のトークセッションでは、「クラブNOON裁判」を経験した亀石弁護士も加わり、法的な観点からこの問いに向き合う予定である。都市と文化の未来について、議論は始まったばかりなのだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000184605.html