読書の本質を問い直す『本とは何か』難波優輝の哲学的考察


読書とはパフォーマンスである
若手哲学者・難波優輝さんが次に挑むのは「読書の哲学」である。『物語化批判の哲学』で鮮烈な単著デビューを飾り、その後も『なぜ人は締め切りを守れないのか』『批判的日常美学について』など話題作を続々と執筆してきた著者が、今回は読書そのものの本質に迫る。複数の書店員から「本を読むってそんなにえらいのか考える本を書いてほしい」と投げかけられたことがきっかけとなり、この著作は生まれた。
難波さんは指摘する。読書の効用についてはさまざまな人が語るが、実は「本を読むとは何か」を誰もが語り飛ばしているという。本を読むとはどういうことなのか、読書しているとき私たちはいったい何をしているのか、という根本的なことをすっ飛ばしている。だからこそ「本を読むのがいいことだ」と言いたいときにこそ「でも、そもそも、本を読むってどういうことなんだっけ」と、根本に立ち返ることが必要だと述べる。
小説からハウツー本、楽譜、レシピまで
本書では「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説、人文書、マンガからハウツー本、楽譜、レシピまで、幾多の学問領域を渡り歩きながら、この世に存在するあらゆる本について考えていく。本を読むことが無条件によいものとされる現代で、読書の意味を問い直すという前代未聞の試みである。
伊藤亜紗さん、藤田真央さんから推薦コメント
本作への推薦コメントを寄せたのは、著者と同じ美学者で東京科学大学教授の伊藤亜紗さんと、国際的に活躍するピアニストの藤田真央さんである。伊藤さんは「ラディカルかつ天真爛漫な著者の思考にどこまでもついていきたい。まっすぐに本質をとらえ、さらりと意表をつくナナメの読書哲学」とコメント。藤田さんは「楽譜を読み解き、紡ぐ音色がピアニストそれぞれに異なるように、私たちは本を読む時、自分なりの『読書というパフォーマンス』をしているのだと気付かされました」と述べている。
『本とは何か』6月17日発売
『本とは何か』は2026年6月17日発売予定。新潮新書刊で、定価は1,043円(税込)。はじめにから始まり、パフォーマンスとしての読書、物語と他人の理解、人文書の分からなさ、ハウツー本の効用、雑誌の読み方、マンガの位置づけ、楽譜とレシピ、SNS投稿、積読と書店めぐりなど、全9章で構成されている。ブックガイドとして本をもっと楽しく読むための18冊も掲載予定である。著者自身も「この本の生まれ故郷は書店です。どんなふうにして、故郷にこの本が帰還するのか、読み手に読まれるのか、わくわくしています」とコメントしている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002978.000047877.html