ホラー新時代の傑作『秘儀』が『このホラーがすごい!2026年版』海外編第1位に選出


アルゼンチンのホラー王女、連続受賞の快挙
マリアーナ・エンリケスの代表作『秘儀〔上・下〕』(宮﨑真紀訳)が、『このホラーがすごい! 2026年版』(宝島社)海外編第1位に選ばれました。アルゼンチンのホラー王女と称されるエンリケスは、一昨年の『このホラーがすごい! 2024年版』海外編第1位に選ばれた短篇集『寝煙草の危険』に続き、今回もまたも快挙を達成しました。
規格外のモダンホラーが評価される理由
『秘儀〔上・下〕』は、エンリケスの最大の長篇作品です。永遠の生命を渇望する一族が司る教団と、そこでの儀式に霊媒として利用されてきた男とその妻、息子の物語を軸としながら、独裁政権時代から1990年代までのアルゼンチン史を浮き彫りにします。ひとつの作品のなかで様々なスタイルを融合させ、ジャンルを越えてラテンアメリカ文学界を席巻した、まさに規格外のモダンホラー作品として評価されました。ホラーというジャンルのもつ可能性をさらに大きく広げた作品として認識されています。
壮大な物語の構造と背景
物語は、闇の力を借りアルゼンチンの政財界の裏側で暗躍する教団とそれを司るブラッドフォード家を中心に展開します。生贄を捧げる儀式で闇を呼びだす霊媒として利用され続けてきたフアンは、息子ガスパルも同じ力を有することに気づきます。死期が間近の自分が倒れる前に、息子を逃がす計画をたてるが、教団の包囲網は次第に狭められていきます。ガスパルの母ロサリオは教団創立家に生まれつきながら、一族の残虐さに反発し不審死を遂げていました。霊媒行為が心臓疾患を悪化させ死を迎えようとしている父フアンのもとで、ガスパルは父が隠してきた闇の向こう側の存在を知り、避け続けてきた教団と相まみえることを決意します。
著者と訳者の紹介
マリアーナ・エンリケスは1973年ブエノスアイレス生れ。ラ・プラタ大学卒業後、1995年に長篇小説でデビューしました。『寝煙草の危険』(2009年)や『わたしたちが火の中で失くしたもの』(2016年)などの短篇集が国際的に評価され、ノンフィクションや伝記の分野でも活躍しています。超自然要素を取り入れつつ現実の不安や恐怖を描く手法は、カズオ・イシグロらに絶賛されており、「アルゼンチンのホラー・プリンセス」「文学界のロック・スター」と称されています。訳者の宮﨑真紀は東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業で、スペイン語圏と英米の文学やノンフィクション翻訳を手がけています。
書籍概要
『秘儀〔上・下〕』の発売日は2025年9月29日で、現在絶賛発売中です。新潮文庫の海外名作発掘Hidden Masterpieces シリーズの一作として刊行されており、造本は文庫です。定価は上下各1,265円(税込)で、ISBN番号は上が978-4-10-241061-5、下が978-4-10-241062-2です。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003002.000047877.html