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映画『火垂るの墓』に「幻の脚本」発見、高畑勲の秘蔵資料を書籍化

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報道発表
寺越陽子著『高畑勲と「火垂るの墓」』(新潮社刊)(プレスリリースより)

映画化されなかった脚本が高畑監督の遺品から発見

新潮社から6月24日発売となる『高畑勲と「火垂るの墓」─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く』は、映画「火垂るの墓」制作の舞台裏を明かす一冊である。著者は、NHKディレクターの寺越陽子氏。本書で初めて公開される「幻の脚本」の内容が、6月17日の読売新聞社会面とNHK「おはよう日本」で紹介されて注目を集めている。

「幻の脚本」とは、高畑勲監督の没後に自宅から発見された貴重な資料であり、脚本家・深沢一夫氏による別案である。野坂昭如氏の原作小説から起こされながらも、最終的には採用されなかった脚本の全貌が初めて明かされる。本書では深沢氏のご遺族への取材を交えながら、脚本の内容を原作小説および映画「火垂るの墓」と比較することで、名作誕生の舞台裏に迫っている。

劇場公開時に線画のまま存在したシーンが判明

本書で初めて公開される事実の二つ目は、制作が間に合わず、劇場公開時に色が塗られず線画のままとなった場面を含むフィルムデータの発見である。ETV特集放送後に、その存在と詳細が確認されたもので、高畑勲作品の研究者からは「とても貴重な資料」という見解が示されている。

このフィルムデータをデジタル化した映像から切り出した画像2点が、本書の冒頭カラー口絵ページ(8ページ)に掲載されている。修復やカラー補正は施されていない簡易的なデジタル化のため、補正前のネガ特有の淡い色合いが特徴。当時の劇場では、この淡い背景の中に、色のない線画がいっそう力強く、鮮明に浮かび上がっていたはずだったという。

制作現場の秘話、スタッフの証言で明かされる工夫

著者による制作スタッフへの取材からは、驚くような制作秘話も飛び出している。演出助手の須藤典彦氏は、時代考証を「凄く念入りに」進めるなか、吉祥寺の蚤の市で焼夷弾の筒を購入。当時2000円程度だったというその筒は、映画の音響効果スタッフに貸され、焼夷弾が落ちる時の効果音制作に実際に使用されたという。

映画「火垂るの墓」は、本年も映画「火垂るの墓」がNETFLIXで国内配信されることが発表されており(配信開始7月15日)、本書を通じて新たな視点で名作を鑑賞することができるだろう。定価は1980円(税込)。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003059.000047877.html