耳カビが増加する夏、医師が警告する「耳の温暖化」リスク対策6つ


医師が警鐘を鳴らす「耳の温暖化」とは
NTTソノリティ株式会社が2026年6月17日に開催したラウンドテーブルで、記録的な酷暑が常態化する中で「耳の温暖化」という新たな課題が浮かび上がった。これはイヤホン・ヘッドホンが耳をふさぎ、外気温の上昇とともに耳の中が高温多湿になる状態を指す。密閉型イヤホンの使用により、耳内の環境が菌の増殖に適した状態となり、耳カビ(外耳道真菌症)や外耳炎のリスクが高まっているという。
夏に耳トラブルが増える理由
耳鼻咽喉科専門医の大場俊彦医師によると、外耳炎は外耳道の皮膚が傷ついたり、高温多湿な環境で細菌や真菌が繁殖したりして、かゆみ・痛み・耳閉感などの炎症を起こす病気である。密閉型イヤホンの長時間使用による蒸れ・かゆみが特に深刻で、放置すると難聴に至るケースもあるとのこと。さらに厄介なのが耳カビで、傷ついた外耳道にカビが繁殖した状態は我慢できないほどのかゆみと痛みを伴う。細菌性の外耳炎の治療で抗生物質を使用すると常在菌まで減り、かえってカビが繁殖しやすくなることもあり、治療が長引きやすいという課題がある。
世代ごとに異なる耳トラブルのリスク
NTTソノリティが実施した調査では、イヤホンを日常的に利用する全国の男女639名のうち、夏のイヤホン利用で不快感を「感じる」人は約6割(59.4%)にのぼった。一方で、不快感があっても放置した経験がある人も約6割(57.7%)という。調査から、Z世代(15~24歳)は長時間使用や手入れ不足などの「無防備な使い方」が集中する傾向が見られた。働き世代(25~49歳)はテレワークやオンライン会議で「外せない使用」が常態化し、不快を感じても後回しにしやすい。ヤングシニア世代(50~69歳)はかゆみやムズムズ感が各世代より高いのに、耳カビの認知率が低く対策しない傾向が顕著である。
サーモグラフィ実験が示す温度上昇
NTTソノリティが実施したサーモグラフィ実験では、外気温25℃の屋外で約1時間の装着により、密閉型ヘッドホンを着用した場合の耳まわりの温度が約1.8℃上昇することが確認された。大場医師は「耳の穴の中には'アポクリン汗腺'が存在するため、実際に汗をかいてジメジメすることがあり、それにより菌の増殖や過度なケアによる外耳道のキズにより感染のリスクが高まる」と解説している。
今日からできる6つの対策方法
医師が推奨する「耳の温暖化」対策は以下の通りである。第一に耳の中を触らない・擦らないこと。小さな傷から菌が侵入し、無意識に耳を掻く癖は厳禁である。第二に耳かきは月1~2回までに留めること。耳には自浄作用があり、やり過ぎは自浄作用を乱し傷の原因になる。第三に耳が濡れたままイヤホンを着けないこと。入浴・運動後などは高温多湿になるため、しっかり乾いてから着用すべきである。第四に1時間に10分は耳を休ませること。長時間装着は耳の中の温度・湿度を上げるため、こまめに外して通気を確保する。第五にイヤホンは週1回ケアすること。汗・皮脂・耳垢は菌の温床になるため、シリコン製チップは水洗い+乾燥を行う。第六に耳をふさがないイヤホンを選ぶこと。密閉すると熱と湿気がこもるため、形状の見直しも対策のひとつとなる。
オープンイヤー型イヤホンの活用
大場医師は、密閉型(カナル型)イヤホンは外耳道に物理的な刺激を与えやすく、熱のこもりやすいヘッドホンは耳まわりに熱や湿気をためやすいと指摘する。特にテレワークで音楽を聴きながら仕事をする場合、耳の奥までふさぐ密閉型を長時間使いがちである。その点、人の声や周囲の音が聞こえるオープンイヤー型イヤホンはオンライン会議などにも使いやすく、耳への負担を軽くしやすいことから、特に夏にはおすすめの選択肢として提案されている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000106079.html