高浜虚子の未発表書簡集が2026年6月に出版決定


近代俳句の巨星と弟子の「魂の対話」
近代俳句の巨星として知られる高浜虚子と、その愛弟子であり虚子の小説『椿子物語』のヒロイン・椿子の実名モデルであった千原叡子(えいこ)との間で交わされた未発表往復書簡集『夢も現も ―虚子と叡子の往復書簡集―』が、2026年6月22日に出版されることとなりました。本書は叡子の娘に遺された古い文箱や虚子記念文学館に保管されていた膨大な資料から編纂された、348ページに及ぶ重厚な一冊です。
未発表書簡から見える虚子の素顔
高浜虚子と直弟子・千原叡子の間に流れていた慈しみ深くも瑞々しい時間が、数々の書簡を通じて鮮やかに蘇ります。これまで知られることのなかった、俳壇の巨匠としてではない「一人の人間」としての虚子の温かな眼差しが刻まれており、時には厳しく、時には茶目っ気たっぷりに弟子を導く姿が明かされます。タイトルの『夢も現も』は、小説というフィクション(夢)と、現実の師弟として歩んだ日々(うつつ)の境界線が溶け合うような、濃密な精神の交流を象徴しているのです。
出版の意義と編者のコメント
編者・金蔵院葉子(叡子の娘)は、本書について次のようにコメントしています。未発表の書簡に加えて、長らく絶版となっていた虚子の小説『椿子物語』『絵巻物』を併せて収録した文学史的に貴重な一冊であること、そして虚子がこの書簡を通じてもう一つの小説を完成させようとしていたのかもしれないと述べています。虚子が亡くなるまで、他のお弟子さんや家族の書簡は残さずとも、母との手紙だけを死ぬまで手元に残し続けたこと自体が、この書簡集の重要性を物語っているといえるでしょう。
書籍情報
『夢も現も ―虚子と叡子の往復書簡集―』は編者・金蔵院葉子、348ページ、定価2860円(税込)。出版社はクリエイターズ・パブリッシング、発売日は2026年6月22日です。虚子記念文学館の協力のもと制作されました。大阪の紀伊國屋書店梅田本店、東京の紀伊國屋書店新宿本店、ジュンク堂書店池袋本店にて販売が予定されており、主要な図書館や大学へも寄贈される予定です。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000135258.html