【結果発表】昔話から詠もう! 桃太郎短歌コンテスト
昔話をテーマにした短歌を募集するコンテスト。今回のお題は「桃太郎」。応募総数は約560点。たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました!
「桃太郎」をもとに詠んだ短歌
― 優秀賞 ―
人の子に果肉を吸わせ守ります 割られるまでが私のさだめ
(入り江わに@還暦カウントダウン!)
【講 評】まさかの桃視点! 割られる運命を悟りながらも、母親のような役目を全うする姿が美しいですね。重要だけれど語られてこなかった「桃」という存在に気づかせてくれた一首でした。
鬼の首とった太郎の形相も瞬間やはり鬼ではあった
(他人が見た夢の話)
【講 評】「鬼の首をとる瞬間」という短い時間にフォーカスした作品。桃太郎の鬼のような一面を詠んだ作品のなかでも、淡々とした空気やリズミカルさがよかったです。
あぁこれは鬼ではなくて桃を切るときにババアにつけられた傷
(あみ)
【講 評】桃太郎の体には傷があり、しかもおばあさんを「ババア」と呼んでいることがわかります。品行方正な印象のある桃太郎をグッと身近に感じさせてくれました。
しょうがねえ今だけだぜと言いながら 猿は犬の手を握りしめた
(木戸秋波留紀)
【講 評】少年漫画のワンシーンのよう。「犬猿の仲」を詠む作品が多いなか、道中で仲が深まっていったのだろうと想像が膨らみました。雉もきっと温かく見守っていることでしょう。
復讐を星に誓った4匹の小鬼がいると彼は知らない
(みどりいろ)
【講 評】不穏な空気が漂っています。きっと桃太郎が去った日の夜に、鬼ヶ島で誓いをたてたのでしょう。桃太郎は、復讐されるなんて夢にも思っていないだろうな。
― 佳作 ―
母の顔知らぬ子どもは旅をして殺した鬼に似たる眼の色
(蟹刺彩子)
鬼の子が大きくなって仇討ちと叫ぶ場面で話は終わる
(フーマー)
めでたしと終はつたはずの十年後凶器は鬼の金棒だつた
(朧(ろう))
鬼を見た 首をしめられ怯えてる鬼の目の中映る自分に
(吉田晶)
きびだんごおくれと犬がしゃべりだしそれが一生トラウマになる
(ゆっくんがあらわれた)
― 番外編 ―
「あなたとよむ短歌」を連載中の歌人・柴田葵さんにもご参加いただきました!
きびだんご頰ばるきみの柔らかな瞳を野性に戻してごめん
(柴田葵)
母さんの白髪のようにひかる海わたって殺してまたもどるから
(柴田葵)
「動物園かよ」と笑っているヒトよお前が味方でなくてよかった
(柴田葵)
― 総評 ―
昔話「桃太郎」に、新たな発見をもたらしてくれた作品が選ばれました。誰もが知っている作品でも、さまざまな解釈や視点が生まれることにとても驚きました。次に「桃太郎」を読むときは、きっとまったく違う物語のように感じられるのだろうな。
○応募規定
昔話の「桃太郎」をもとに詠んだ短歌を募集。
桃太郎が家を出るシーンや、
お供する決意を固める犬の気持ちなど、
「桃太郎」の世界を自由に詠んでください。
○応募方法
WEB、Twitterから応募。
【WEB】応募フォームからご応募ください。
【Twitter】公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローし、ハッシュタグ「#公募ガイド」「#桃太郎短歌」をつけて、作品のみツイートしてください。
○賞
優秀賞5点=QUOカード500円分
佳作数点=WEB掲載
○締切
2022年5月10日
募集は締め切りました
○発表
2022年5月17日 公募ガイドONLINE上にて発表
○お問い合わせ先
不明点は、公募ガイド編集部「桃太郎短歌」担当まで、
こちらからお問い合わせください。