高橋源一郎の小説指南「小説でもどうぞ」佳作 発声練習/キタオージ清∞
キタオージ清∞
『おはようございます』
「では、発声練習を始めます。お願いします」
『お願いします』
「あえいうえおあお、おあおえういえあ」
『あえいうえおあお、おあおえういえあ』
「かけきくけこかこ、こかこけくきけか」
『かけきくけこかこ、こかこけくきけか』
「させしすせそさそ、そさそせすしせさ」
『させしすせそさそ、そさそせすしせさ』
「たてちつてとたと、とたとてつちてた」
『たてちつてとたと、とたとてつちてた』
「なねにぬねのなの、のなのねぬにねな」
『なねにぬねのなの、のなのねぬにねな』
「はへひふへほはほ、ほはほへふひへは」
『はへひふへほはほ、ほはほへふひへは』
「まめみむめもまも、もまもめむみめま」
『まめみむめもまも、もまもめむみめま』
「やえいゆえよやよ、よやよえゆいえや」
『やえいゆえよやよ、よやよえゆいえや』
「られりるれろらろ、ろらろれるりれら」
『られりるれろらろ、ろらろれるりれら』
「わえいうえをわを、をわをえういえわ」
『わえいうえをわを、をわをえういえわ』
「がげぎぐげごがご、ごがごげぐぎげが」
『がげぎぐげごがご、ごがごげぐぎげが』
「ざぜじずぜぞざぞ、ぞざぞぜずじぜざ」
『ざぜじずぜぞざぞ、ぞざぞぜずじぜざ』
「だでぢづでどだど、どだどでづぢでだ」
『だでぢづでどだど、どだどでづぢでだ』
「ばべびぶべぼばぼ、ぼばぼべぶびべば」
『ばべびぶべぼばぼ、ぼばぼべぶびべば』
「ぱぺぴぷぺぽぱぽ、ぽぱぽぺぷぴぺぱ」
『ぱぺぴぷぺぽぱぽ、ぽぱぽぺぷぴぺぱ』
「隣の客はよく柿食う客だ」
『隣の客はよく柿食う客だ』
「新人シャンソン歌手新春シャンソンショー」
『新人シャンソン歌手新春シャンソンショー』
「生麦生米生卵」
『生麦生米生卵』
「老若男女」
『老若男女』
「赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ」
『赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ』
「青巻紙赤巻紙黄巻紙」
『青巻紙赤巻紙黄巻紙』
「除雪車除雪作業中」
『除雪車除雪作業中』
「お綾や、八百屋におあやまり」
『お綾や、八百屋におあやまり』
「かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」
『かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ』
「マグマ大使のママ、マママグマ大使」
『マグマ大使のママ、マママグマ大使』
「この寿司は少し酢がききすぎた」
『この寿司は少し酢がききすぎた』
「この釘はひきぬきにくい釘だ」
『この釘はひきぬきにくい釘だ』
「この杭の釘は引き抜きにくい」
『この杭の釘は引き抜きにくい』
「スモモもモモもモモのうち」
『スモモもモモもモモのうち』
「高架橋橋脚」
『高架橋橋脚』
「貨客船の旅客」
『貨客船の旅客』
「魔術師魔術修業中」
『魔術師魔術修業中』
「腹腔鏡手術中手術室、摘出手術中手術室」
『腹腔鏡手術中手術室、摘出手術中手術室』
「不幸な夫婦は古い服」
『不幸な夫婦は古い服』
「地味な爺やの自慢の地酒」
『地味な爺やの自慢の地酒』
「駒込のわがまま者、中野の怠け者」
『駒込のわがまま者、中野の怠け者』
「うちのつりびんは、つぶれぬつりびん、隣のつりびんはつぶれるつりびん」
『うちのつりびんは、つぶれぬつりびん、隣のつりびんはつぶれるつりびん』
「むさしのむさしが原の武蔵坊弁慶」
『むさしのむさしが原の武蔵坊弁慶』
「庭には鶏が二羽いました」
『庭には鶏が二羽いました』
「東京特許許可局許可局長」
『東京特許許可局許可局長』
「それでは、パート別練習に入ります。お願いします」
『お願いします』
(了)